2023年10月18日

プロの校正サービスとオンラインAI英文法チェッカーの違い

Wordvice

合格に導く素晴らしい出願エッセイの執筆過程は、長く多くの段階における道のりです。整理しながら目標をしっかりと定め、常に経過状況に注意を払い、見本になるエッセイを探し、書き間違いをしないように。しかも、これらの全てを締め切り日までに終わらせるのです。

殆どの学生たちは、エッセイ探しや執筆は自分で出来ます。でも残念な事に、多くの学生たちは、せっかく書いた出願エッセイの正しい校正や修正を行いません。これは大きな失敗につながる可能性があります。なぜなら、近年の大学入試審査員は、SATのような従来の共通テストの点数よりも、出願エッセイのような個人が持つ質的な要素を重視する方向に向かっているからです。なので学生たちは、自分が優位に立てる方法を探求し、何としても成功に導く出願エッセイを書かなければなりません。その為に使われる編集と校正には、主に二つの選択肢があります。一つはワードバイスのようなプロの大学出願エッセイの校正サービスを利用すること。もう一つはGrammarly(グラマリー)やHemingway(ヘミングウェイ)のようなオンライン文法チェッカーの利用です。

ここでは、この二つの選択が、どのように出願エッセイをより良く仕上げられるかを定義づけながら比べてみたいと思います。正直な話、どちらを選んでも効果はあります。でも選ぶ状況を間違えないように気をつけましょう。

言語の世界でも、いよいよロボットと人間が対決!

無料のオンラインAI英文法チェッカーって何?

無料のGrammarlyやHemingwayのようなオンライン文法チェッカーとは、エッセイを自動的にスキャンして、文法、スペル、句読点、書式設定(フォーマット)や、文字数、もしくはコンマの使い方を訂正する機能です。

これらのアプリは、ウエブアプリ(on-site)形式、ブラウザ拡張機能、インターネットに接続せずに使えるスタンドアローンプログラム(stand-alon)のように様々です。これらのアプリがエッセイをスキャンして、間違い個所をハイライトしたり、更には提案もしてくれます。

これらのアプリは無料で直ぐに対応してくれます。ただし、どんなツールやサービスでもそうですが、値段に見合ったものしか手に入りません。多くの文法チェッカー機能は1つの事しか正確に行わず、私たちが求める結果を得るには不十分です。

無料のオンラインAI英文法チェッカーは何をしてくれるの?

自動提案(Auto Suggestion)
このソフトウェアは、書類をスキャンしたあとで、自動的に訂正箇所を提案してくれます。これらの提案は文法の規則や過去のデータに基づいています。

クリック一つで訂正(One-click correction)
ほとんどの文法とスペルチェッカーは間違いをハイライトして、クリック一つで自動的に訂正する機能があります。これで間違いを避ける事が出来るのです。(ソフトウェアのバグは例外です)

オンライン、マイクロソフト オフィス、そして携帯用文法チェッカー
Grammarlyはグーグルクローム(Google Chrome)、アップルサファリ(Apple Safari)、ファイアフォックス(Firefox)、マイクロソフト エッジ(Microsoft Edge)用にブラウザ拡張機能を提供しています。これはどういうことかというと、ウエブベースのデータフォームやEメール等を作成する最中に文法チェックをして貰えるのです。The Chromeの拡張機能はグーグルドキュメントに高度なサポートを提供していますが、現在は開発中のベータ版の段階です。

更に、コンピューターの文書作成編集機(ワードプロセッサー)やネット接続が不要なスタンドアローンのプログラムを利用することもできますが、パソコンやMacにマイクロソフト オフィスのソフトウェアがインストールされている必要があります。Grammarlyのアプリ以外の他の文書作成編集機を使用する場合は、文書をコピー/ペースト(copy/paste)して使用します。

GrammarlyはiOSとAndroidのアプリが利用出ます。なので、スマホでイーメールやノートを書き込む際、文書とスペルチェックができます。

音色(Tone of voice)
Grammarlyのような無料のチェッカーには、表面レベル音調測量機能が付いています。これは、読む相手によって適切な文書形式、例えば、正式文書、形式ばらない文書等を変えるものです。”joyful (嬉しい)” とか“optimistic(楽観的)”の音色の意味が分かりませんが。

適切な文書形式の提案は、主に二つの条件、文章の長さと用語の種類が基準になります。その結果として、音色を変えたくないのに、Grammarlyが変えるように提案する事が多々あります。例えば、他の情報源や作者の引用を追記した場合や、正式な課題をカジュアルに執筆する場合、もしくはその逆の場合です。

AI英文法チェッカー

基本的な文法、スペル、句読点の間違い
エッセイや論文に明らかなミスタイプやスペルミスがあれば、これらのオンライン文法チェッカーが察知します。ここは機械の見せ所です。これらのオンライン文法チェッカーは間違えない上、正確に指摘してくれます。英語辞典からの入力は単刀直入です。ただ、これらの機能はマイクロソフトワードのベーシックなスペルチェック機能と何が違うでしょうかというと、それほど違いません。

では、無料のオンラインAI英文法チェッカーが出来ないことは?

早い、無料、一貫性があるというように、無料オンライン文法スペルチェッカーには幾つかの利点がありますが、あまり頼れない部分もあるのです。おそらく、それらの機能には限られた範囲と規則があるからです。

ロボット
オンライン文法チェッカーは何もかも出来る訳ではありません

執筆は一本筋ではありません

執筆には多くの要素を組み合わせる必要があります。真面目な学業課題にも、時には面白い逸話を交えたいかもしれません。もしくは650文字制限の出願用エッセイに統計値を引き合いに出したいかもしれません。そのような場合は、Grammarlyの声提案機能は正確に適用されなくなります。

あなたの大切な大学出願エッセイや、就職用願書や、学術誌用の論文や、博士号の学術論文を、そのような無料のオンライン文法チェッカーに任せられますか?この種類の書類は、進路や職業選択をする上で大切な節目になるものですので、なぜ多くの専門家たちが、このような文法チェッカーの正確性や信頼性を疑問視するかは一目瞭然です。

Forbes誌の投稿者であるベン ケップス氏は次のように記述しています。

 “Grammarly isn’t a complete replacement for manual proofreading. I was surprised at the number of errors it made—both false positives and not picking up on obvious mistakes in both spelling and grammar…Grammarly does, in my mind, have a part to play in spelling and grammar checks. But for someone looking for a single solution, Grammarly probably isn’t it.”

Grammarlyは完全に手作業の校正作業の換わりにはならない。Grammarlyの誤検知と、明らかにスペルと文法の間違えである個所を察知しなかった数には驚いた。Grammarlyは、スペルや文法チェックに使える機能の一つではあるが、唯一の解決方法を求めている人にとっては、Grammarlyはその解決にはならないであろう。

プロによる英文校正サービス
人工知能(AI)を用いた文法チェッカーは、まだまだ個々にあわせた修正やコメントを出すのは困難である。

オンライン文法チェッカーは文脈の前後関係の状況を認識できない

Grammarlyのプレミアム版を試してみた結果、文脈内の前後の状況を認識しない箇所がいくつかありました。

動詞の時制の訂正:  “John felt that his research is correct”は、動詞の”felt”が過去形なので、that節の時制も、時制の一致として、過去形の“was correct”に訂正されました。Grammarlyの説明によると、 “John feels” と動詞が現在形の場合のみ、that節は“is correct.” になるとの事でした。

  • これは、Grammarlyの文脈の状況認識に制限があり、人工知能によるチェッカーが抱える大きな問題点を暗示しています。
  • この場合のJohn felt that his research is correct.は正しい文法なのです。彼の研究(his research)自体は、昨日も今日も変わらないからです。ただ、その研究に対するJohnの気持ちが変わるかもしれません。
  • 学術文書の中では、科学的主張、供述、結果は現在形で記述される一方、観察は過去形で記述されます。科学的主張の時制は現在形のまま。このような文脈の解釈が出来る程Grammarlyは優れていません。

例: 下記の実際の記事を見ると納得できます。Grammarlyは文脈の中で、”past”はpast tense(過去形)の句の中の形容詞と使われている事を認識せず、“過去/the past”という名詞として使われているようにしか理解出来ないのです。

”past”はpast tense(過去形)の句の中の形容詞と使われている事を認識せず、“過去/the past”という名詞として使われているようにしか理解出来ない
典型的な文法チェッカーの間違い

誰がオンライン文法チェッカーを使うの?

上記のような問題点はあるものの、数多くの執筆者たちはGrammarlyは活用できると感じています。教師は盗作使用のチェックが出来ますし、ブログ作家や販売会社は可読性を確認出来ますし、企業は販売文書に誤字や間違いが無いかを確認出来ます。

ここで、3つのグループを重要視しましょう。大学生、学術研究員、博士号学生です。彼らは、彼らの執筆を校正、編集、上達させてくれる方法を常に探しています。

大学出願エッセイ、学術誌用記事、学術論文のような書類の編集は、オンライン文法チェッカー、まして無料バージョン等の範囲を超えているのです。

だから、多くの学者や大学出願者はプロの英文編集/校正を求めるのです。

無料オンライン文法チェッカーに関するよくある質問

  • 無料オンライン文法チェッカーの正確度は?
    • 句読点、スペル、基本的な文法のミスに関しては、Grammarlyは一貫していますが、無料バージョンには限りがあります。文脈の中での前後の状況をくみ取るとか、読みやすさとか、文章の流れとか、字数調整はしてくれません。
  • 無料のオンライン文法アプリは信頼性とか一貫性はあるの?
    • 文法チェッカーは、そこそこの効果はあります。特にコンピューター画面を見続けて疲れている為に見落としがちなミスタイプは全て探してくれます。でも人間の編集者や校正者なら察知するけれど、これらのプログラムでは察知できない間違いはあるのです。
  • 無料の文法チェッカーの安全性は?
    • 大手の文法チェッカーは評判が良いですが、だからと言って税金や銀行などの個人情報を入力しても安全というわけではありません。ページによって、これらのブラウザ拡張機能を無効/有効に使い分けましょう。

プロの校正と編集のサービスとはどんなもの?

出版や投稿を予定している文書(学術文書、出願エッセイ、カバーレター、履歴書、文献レビュー、博士学位論文を含めて)は、プロの校正者なら更により良いものにできます。

文書の内容、目的、読者層によって異なりますが、どんな文書にも何らかの間違いはあり、出版や投稿する前に必ず訂正する必要があります。

画面の裏側に”人”がいると思うと安心です。

プロの校正サービスの利点

研究文書や学術原稿を凝視しながらレビューするには、先ずは文書全体の編集、次に一文毎の編集、そして最後に文書の一貫性と正確性の確認と校正、という何段階もの過程があります。

プロの校正者や編集者たちは原稿全体に焦点をあてます。要約(abstract)、本文(body)、図説明文(figure legends and captions)、その他の間違いを起こしやすい箇所の全体です。そして、下記の問題点を発見するのです。

  • ミスタイプと誤字
  • 大文字使用のエラー
  • 書式設定が間違っていないか、統一されているか(例えば括弧の使い方、専門用語の正確性)
  • 句読点や略語のエラー
  • 文法と基本文型構造
  • 機関誌の規定に基づいた書式設定、引用文、略語のスペル(MLA, APA, アメリカの代表的な書籍スタイルガイドであるシカゴ・マニュアル・オブ・スタイルなどはアプリでは察知出来ません)

プロの編集サービスの利点

経験豊富な言語編集者から受けられる上級編集技の利点を挙げてみましょう。学術研究記事や博士号論文には文法チェッカー機能では察知できない多数の専門用語が含まれます。例えばラテン語の慣用句、略語、引用後、科学専門用語などです。

経験豊富な学術編集者たちは、このような専門分野に精通しているので、原稿や研究文書の編集を熟達できるのです。これらの編集者たちは大学出願エッセイにも精通しているので、出願者たちの独自性を保ちながら、説得力のあるエッセイ作成のお手伝いができます。

生身の編集者や校正者でないと、文書に関する下記の点をより良いものすることは出来ません。

  • 可読性(Readability) – 文面や言語のスタイルは、大学出願エッセイや事業提案書や専門記事など、文書の種類によって異なります。
  • 文の流れや重文の作り方 - 生身の編集者は、共通点が無かったり、かけ離れたアイデアを、筋を通しながら首尾一貫した関連性のある文にまとめる事が出来ます。これは、英語本来の意味や作者の意図するものを理解していないと出来る事ではありません。
  • 文字数 - 多くの文書には字数制限があります。原稿を、経験を積んだ編集者の新しい見方を通して文脈や目的を見る事によって、不要な個所が明確になり削除する事が出来るのです。
  • 専門用語の正しい使い方と一貫性 - 博士号論文には様々な情報源から集められた文学記述が含まれます。その上、専門用語は普通の文書とは別の使い方をする場合もあります。生身の編集者たちは、このような専門用語を理解して、いつ、どのように使うかを心得ています。

プロの校正/編集サービスと無料の文法チェッカーの違い

次にプロの編集サービスとオンライン文法チェッカーの利点、不利点を比べてみましょう。

編集サービスとオンライン文法チェッカーの比較

ご覧の通り、ワードバイスのようなプロの校正/編集サービスは、プレミアム学術文書及び出願エッセイの校正を含む、全範囲に及んで文書をより良く仕上げるサービスです。

主な不利点はもう明らかですね。校正サービスは有料で、即時に結果が出ません。個人の予算や文書の重大性によって、プロのサービスと無料文法チェッカーのどちらを選ぶかが決まってきます。

では、プロの編集サービスと文法チェッカーのどっちを選ぶべき?

校正サービスとオンライン文法チェッカーの両方の利点を再考慮してみましょう。

文法チェッカーの主な利点は無料で仕上げが早い点です。しかしながら、経験豊富なプロの英文校正者と同じレベルでは対応できません。結局、我々人間は、別の人間との効果的なコミュニケートを求めているという事です。

我々のお薦めは、先ずこのような無料の文法とスペルチェックのプログラムを利用して、ミスタイプや誤字を訂正して下さい。でもプログラムが薦めるスタイル上の提案にはあまり注意を払わないように。

その後で、ワードバイスのようなプロの校正サービスが更に必要か否やをご自分で判断してはいかがでしょうか。

自分は文法のプロ?
文法チェッカーでは、上記でご覧頂けるように多数の誤検知エラーが発生するので、チェッカーを使う場合と使ってはいけない場合をきちんと把握して下さい。

自分で編集する十分な時間がある?

出願エッセイや論文を提出期日寸前まで後回しにしたとすると、Grammarlyの無料もしくはプレミアム版を利用しなければ間に合わないでしょう。そして合格点を貰える事を祈りましょう。でも、提出期日まで12から24日程あるのであれば、殆どの編集サービスを利用しても間に合います。

大きな選択をしなければなりません
大きな選択をしなければなりません

あなたの原稿の重要性
学術や出願用のプロの編集サービスに出費をするか否やの、あなたの判断が非常に重要になります。この原稿があなたの将来の職業を左右する程重要な学期末論文や研究論文、推薦状、奨学金申請書、学術誌用記事だったとすれば、絶対にプロの編集サービスを利用するべきです。ほとんどのプロのサービスは英語編集証明書を発行してくれます。

その文書やエッセイは誰が読むの?
大学入試選考委員や学術誌の評論家に読んでもらう為の文体編集を望んでいるのであれば、オンライン文法チェッカーは避けましょう。つまり、プロの編集者は、彼らの新しいアイデアや言葉を加えながら、読む相手に合わせて、あなたの文書をより良く仕上げる事が出来るのです。大ざっぱに言うと、あなたの原稿を読む人が直接の決定権を握っている人物ならば、プロの編集者を雇うべきです。

逆に、受けている授業の教授や教師のような知人、もしくはブログ投稿のような名前も知らない人々が読むのであれば、プロの編集者を雇わず、盗用文チェッカーのような文法チェッカーを使えば良いでしょう。

<まとめ>

プロの校正サービスと無料のオンライン文法チェッカーの比較

新しく流出しているオンライン機能は、今や学生たちの出願エッセイを無料で校正/編集しています。それは明らかに、新世代の学生たちがテクノロジーと共に成長して、テクノロジーがもたらす利点を深く理解しているからです。これらの機能のおかげで、現代の学生たちは、出願エッセイの執筆に焦点をおく時間ができた上、なんと無料です。

でも、テクノロジーには必ずと言える程、不利点もあるのです。

オンライン文法チェッカーは確かに便利ですが、その一方で制限があります。先ず、人工知能を利用したテクノロジーとして市場に出ていますが、真の“人工知識”や継続的学習など生じていないのです。だから、文法チェッカー機能は、文脈中のニュアンスや識見を理解できず、その結果数多くの間違いを起こすのです。なぜなら、筆者の意図など理解出来ないのですから。

一方、大学出願エッセイの校正/編集サービスは昔からあるサービスです。無料ではありませんが、優れたプロの編集者/校正者をテクノロジーで代行してはならない状況もあるのです。

最後に、どちらを選ぶかを決めるのは、筆者であるあなたです。でも、最大の結果を得たいのであれば、我々としては、両方の手段を利用することをお薦めします。

ご自分の原稿をプロに磨きを入れて貰う準備が出来たら、是非ワードバイスの英文履歴書・エッセイ・留学願書校正サービス学術論文英文編集サービスをご覧ください。

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