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スタンフォード大学大学院出願用SOP作成のコツ

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

スタンフォード大学・大学院の新入生は、赤い屋根が特徴的なスタンフォードのキャンパスを歩いているとき、「ああ、自分はスタンフォードの学生になったんだな」と実感すると言います。世界中の学生が憧れる名門校・スタンフォード大学ですが、大学院の入学要件はどのようになっているのでしょうか。合格率わずか7%という難関を突破するには、どんな対策を行えばいいのでしょうか。

毎年多数の海外留学用エッセイを添削している当社ワードバイスの立場から一つ確実に言えるのは、出願にあたってもう取り返しのつかない大学時代の成績や、自分では作成できない推薦状の内容に悩んだり、不安に押しつぶされる前に、まずは志望動機書であるSOPの完成度向上に全力を注ぐべきということです。

本日は、スタンフォードのSOPに標準を合わせ、合格するためのSOP作成のコツを解説していきます。

Tip 1: 下調べは入念に!

スタンフォード大学の修士コースに出願する学生ともあれば、内容がよく練られた完成度の高いエッセイで出願するのがほとんどでしょう。それでも、エッセイに高い評価を受けられず、不合格となる学生はいます。なぜでしょうか?それは、内容が「合っていない」ことがあるからです。

どの大学に出願するとしても、それぞれの大学が求める学生像を把握するのは最も重要です。大学の募集要項だけでなく、ニュースやインサイトなどにも目を通し、校風や価値観、ビジョンを確認しましょう。ここではビジネススクールを例にとっていくつか紹介しておきます。

Stanford Graduate School of Business website

スタンフォードのロースクールを目指す方は、SLS home pageを見て見ましょう。特に留学生としては、global initiativeで国際化への取り組みやLaw and Policy Labで実際の学生生活を良くチェックしておき、これらの情報から得た大学の性格や強みを自分に反映し、エッセイの内容を練っていきます。

「書く前に知ること」これはSOPやパーソナルステートメントだけでなく、レジュメやカバーレターなど受験や就職に関わるエッセイを書く際の必須事項です。

Tip 2: 求める学生像に合わせてアレンジする

GREスコアやGPAは、それだけでこれまでの受験生の学問的成果や基礎的な学力を客観的に表してしまう資料ですが、SOP等の記述式エッセイ課題は、「なぜ自分はこの大学の入学者としてふさわしいのか」ということを、主観的に自分の言葉で表現できる貴重な資料です。

その大学への自分の適合性を決めるのは、どのような要素なのでしょうか。下調べが済んだら、そこで得たスタンフォードが求める学生像に合わせて、自分の経験や体験の「語り」をアレンジしていく番です。しかし、その前に一度、エッセイで扱う具体的エピソードを吟味するためには、ブレインストーミングを行うことで主要な経験やエピソードをリストアップしてみる必要があります。これまで自分が行ってきた活動や成果、教えを受けた先生や教授、研究やプロジェクトを通して学んだこと、主要な業績が出そろったら、その中から自分の強みやスタンフォードの価値観に適合するような重要な経験を選び、スタンフォードが望む語り口や構成を意識して組み立てていきます。これは、スタンフォードの好みに合わせて「ないものを作れ」ということではありません。例えば志望する大学や学科が奉仕精神を重要視するならば、ねつ造してでもボランティア経験について語るべき、というわけではありません。ボランティア経験があればそれについて語っても良いですし、より幅広く奉仕精神について学んだり深く考えるようになった経験をピックアップしてアピールするのも良いでしょう。自分の今ある経験や学びを、スタンフォードが求めるものに合わせて選択・編集し、一つのエッセイとして組み立てていくことが重要です。

また、過去の経験だけでなく、これから目指すものがスタンフォードの教育目標やミッションと合致していることをアピールするのも重要です。志望校を選定する際に、既に自分の将来の目標と大学が提供する価値との合致は十分に考慮したはずです。「なぜスタンフォードを選んだのか」という疑問は、受験生に対して大学が抱く最も基本的な疑問であり、数多の受験生がエッセイでその質問に答えようとあらゆるアピールを行います。そのような磨き上げられたエッセイの中で、自分を際立たせる要素は何か考えましょう。例えば、CVに既に書いてあるような「成果」を再度エッセイでおさらいするだけでは、記述式のエッセイをわざわざ別途提出する意味がありません。入学審査員が知りたがっているのは、CVで箇条書きにされた成果や経歴のバックグラウンドや詳細なプロセス、そこから受験生が得たものであり、経験をどのようにして「自分のものにできる」学生かどうかをエッセイから見極めようとします。

エッセイを考えるにあたって、実例に接してみるに越したことはありません。過去の受験生が、それまでの経験とキャリア目標をどのように連関させてエッセイを書き上げているか、どのように自分だけの個性や強みを際立たせているか注目して読んでみましょう。良いSOPは、必ずこれまでの実績やこれからの計画とスタンフォード受験という決定との間に合理性があるものです。

Tip 3: 効果的に描写する

詳細に語ろうとするあまり、出来事や事実だけを並べ立てて終わってしまうエッセイが多く見られます。説得力のあるエッセイを書くには、効果的な言葉で語る必要があります。

下の三つの例文の違いを見つけてみましょう。

  1. I wrote compelling news stories for the new app and increased readership by 10%. In the end, I attracted over 40 thousand Millennial readers.
  2. I changed the way I wrote news stories by using chunks of simple verbal expressions to guide readers through long articles.
  3. For the new app I used chunks of simple verbal expressions to guide readers through long articles; employing this method attracted over 40 thousand millennial readers and significantly increased readership.

1つ目の例文は“telling”、2つ目の例文“showing”型の文章です。事実を伝達するだけでなく具体的に描写する文章は、読み手をエッセイのストーリーの中へと引き込む効果を持ちます。3つ目の文章は、1・2の文章の内容を融合させ、事実と描写をバランスよく組み合わせた文章と言えるでしょう。

ここで覚えておきたいのは「show first, tell second.」という掟です。エッセイでは曖昧でありがちな内容を語るよりも、自分の経験を生き生きと描写する表現力が求められます。“telling”型の文章をもう一つ見てみましょう。

I’m ready and willing to take on the challenges of being a graduate student.

これでは、受験生がどうしてそのように考えるのか、具体的な背景や決心が何も伝わってきません。大学院に通う中で生じるであろう様々な課題や困難にどのように対処するつもりなのか、また、そのように考えられる根拠となる経験が過去にあったのか、そしてそれはどのような経験だったのかということを、ストーリー仕立てで提示して初めて、物語としての説得力を持ちます。物語は、断片的な経験や概念、信念などの要素を一つにつなぐ糸のような役割をします。内容に一貫したストーリー性があると、それを構成する一つ一つの要素にも説得力が生じます。また、エッセイの最初の部分で読み手の心を掴むのも重要です。最初の文章が“For as long as I can remember, I’ve enjoyed working with machines”のようなありきたりで味気ない文章で始まっていたら、読み手はたちまち受験生への関心を失ってしまいます。スタンフォード大学工学部では決してそのようなレベルのエッセイを求めてはいません。

Tip 4: 規定に合っているか、最後にもう一度確認する

とても基本的なことですが、内容とフォーマットが規定に合っていることは必須条件です。スタンフォードの大学院SOPは2ページまで、ダブルスペースで作成することが定められています。2ページ半のエッセイを提出した時点でその学生を不合格としてしまうことは、大学院の入学審査員にとってとても簡単なことです。2ページ以内が条件なのですから、もちろん1ページのエッセイを提出することは可能ですが、規定の半分の分量しかエッセイを書かないということは、不誠実と見なされる可能性もあり、わざわざそのようなリスクを取る理由もありません。与えられた条件の中で最善を尽くすのは、受験生として当然の姿勢です。

逆に、曖昧で何が言いたいのか分からないエッセイを2ページぎっしりと書いて提出したからといって、高得点が取れるわけではありません。時間をかけて何度も推敲しながら丁寧に作成されたエッセイと一週間で無理やり書き上げたエッセイ、コンサルティング業者がただ正解だけを追い求めて書いたエッセイでは、その内容のリアリティや充実度において審査員の目には格段の差が出てしまいます。まして、文法やスペル、語彙の間違いなど基本的な英語のミスは、英語を母語としない場合であっても言語道断です。一度限りの試験でもなく、受験生が好きなだけ時間をかけて準備できる受験用エッセイでそのようなケアレスミスを犯すということは、基本的な注意力や計画性、マナーなど、大学院での勉強を始めようとする者として最低限弁えているべき態度さえ備えていないと思われても仕方ありません。スタンフォードのSOP規定についてはgraduate admissions websiteを参照しましょう。

Tip 5: 第三者のレビューを受けることが大切

時間と労力をかけて書きあがったSOPは、本人の目にはさも完璧であるかのように映るものです。しかし、あなたについての基本知識のない人がエッセイを読むと、前提となる情報が省略されているせいで内容が全く理解できなかったり、独りよがりで不親切だと感じることがよくあります。入学審査員は、あなたが提出した書類から分かる限られた情報のみであなたを判断するしかない、赤の他人であることを忘れてはいけません。例えば、下の例を見てみましょう。

  1. At my current job, I collaborate with software engineers to make interfaces for apps.
  2. For the past six months, I’ve collaborated with a small team of software engineers to make three different app interfaces.

上の例文2では期間や勤務状況、アプリケーションの数など、1で漠然と言及した要素に対する“quantifying” informationが追加されていることが分かるでしょう。名詞の意味を明確にする修飾語を具体的に追加するだけでも内容のリアリティが増し、あなたの人となりや経験した状況について知らない審査員が読んだときに、話の内容が頭に入って来やすくなります。

このように自分のことを知らない人が読んで分かりやすいか、ということを判断するためには、実際に第三者からのレビューを受けてみるしかありません。必ず信頼できる第三者にエッセイの評価を依頼し、見落としている部分がないか、伝わりにくい部分がないかチェックを受けるようにしましょう。指導教官やアドミッションカウンセラーなど、審査員の立場を経験したことのある人物に依頼すれば、より質の高いレビューを受けることができるでしょう。

SOPやパーソナルステートメントなどのアドミッション用のライティングは、特に独特な目的と性格を持つ文書である上に、受験生によって異なる主観的な内容となるため、レビューを受ける際にはレビュワーをよく選ぶ必要があります。内容の自由度が高いため、経験のない人物がレビューしてしまうと、レビュワー個人の好みやライティングの癖をそのまま反映したものとなり、受験生自身の個性が失われてしまう危険性が高いからです。本格的なレビューを受ける際には、できるだけこのようなアドミッションエッセイに多く接し、作成時のマナーや高得点を受けるエッセイの傾向、内容のオリジナリティの重要性を良く理解している人材からアドバイスを受けることが重要です。

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