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修辞法分析エッセイ(Rhetorical Analysis Essay)の書き方 – 例文とテンプレート

修辞法分析エッセイ(Rhetorical Analysis Essay)とは何?

修辞法分析エッセイとは、名前から分かるように、他者の執筆文、スピーチ、言及、漫画などから、言葉や修辞学的なテクニックを使って、作家は読者にどのような影響を与えているかを分析するエッセイです。修辞法分析では、作家が述べている言葉よりも、作家が使う表現方法、読者への影響力、意図した目的を果たしたか否や、どのようなアプローチで目標を達成したかが重要になります。

修辞法分析エッセイの構成は他のエッセイと同じです。先ず序説(Introduction)で論題を述べます。次に本文(Body)で原文を分析、セクションに区分、論点の構成方法、各セクションの確信性、情報提供、読者をいかに楽しませているかを説明します。最後に結論(Conclusion)のセクションでエッセイを評価した概要をまとめます。

ここで覚えておくことは、原文の課題に対するあなたの個人的な意見は、ここで行う分析とは無関係であり、エッセイの中では原文の作者の意見に同意するしないを述べることはしないように。

下記では優れた修辞法分析を書くための主なレトリックなコンセプトと、どこから何を始めればよいのかという実用的なコツをご紹介します。

正しいステップを踏み、前もって論点を概説すれば、修辞学的分析論文を書くのは簡単です。

主なレトリックなコンセプト(Key Rhetorical Concepts/修辞法コンセプト)

修辞法分析エッセイを執筆する時目標とするのは、作家はどのような修辞法で読者に影響を与えているのかを詳しく記述することです。そうする為には、複数のレトリックな策略を考慮する必要があります。それらは、レトリックなアピール(rhetorical appeals) (エトス/信頼/ethos、ロゴス/理論/Logos、パトス/感情/Pathos)と、文脈(context)と、主張(claims)、支援(supports)、根拠(warrants)です。

エトス、ロゴス、パソスは紀元前4世紀にアリストテレスが、聞き手を説得する為の要素として提唱しました。これらの3つの要素は今でも修辞的分析を表すとされていて、修辞法三角形(rhetorical triangle)と記述されることが多いです。

これらの要素や他のレトリックなテクニックを同時に使うことによって、意図している効果をもたらすことができる上、あなたが原文の内容を分析する際、作者の意図する論議と、基礎となる概念を識別することが出来ます。

レトリックなアピール(Rhetorical Appeals) 

レトリックなアピール♯1: エトス(Ethos/信頼)

エトスとは、エッセイやスピーチの課題における世評とか作家の権威、そして、エトスを使って読者や聞き手に影響を与えるアピール方法を示します。例えば、聞いたことが無かったり信頼の出来ないブランドやお店よりも、自分が信頼できるブランドやお店から商品を購入するように、エトスを駆動力とする文やスピーチで、作家の信頼性が読者や聞き手を説得できるというわけです。その為、エトス駆動型原文を分析する際は、作家がレトリックな工夫を使って、どのようにエトスを確立したかを理解するべきです。

作家はその課題における権威を持っていたか?そうであれば、どうやって?

作家たちは、自らの行動には申し分が無いと主張して、その上道徳的な論議を展開しているか?

作家たちは、自らの能力や経験を述べるられる熟練者である事を主張して、読者に自らの意見の説得を試みているか?

レトリックなアピール♯2: パトス(Pathos/感情)

パトス駆動のレトリック目的は、読者に感情を伝える事です。レトリックなパトスの一般的な例として、善因の為の献金を集める為のチャリティー機関が使うフレーズがあります。意図的に読者の感情を盛り上げるように、作者は情熱的な言葉を使い、個人的な話をして、鮮明なイメージを植え付けることによって、読者はその状況にいる自分を想像して、情けや怒りの感情を抱くのです。

レトリックなアピール♯3: ロゴス (Logos/理論)

ロゴスとは理論的(logical)に説得する理由を述べるアピール方法です。データに基づいた理由(reason)と理論(logic)を明確に定義する方法と巧みに構成された論議は、多くの学術文の基礎となっています。研究者、作者、読者の感情や、評判、信念、個人的意見は、データに基づいた学術文では記述するべきではありません。

原文(text)と状況(context)

エッセイ、スピーチ、広告、風刺的な絵などを分析する上で、伝達過程(コミュニケーション)の先にある作られた状況や環境を考慮に入れる必要があります。

この文を書いた人、漫画を描いた人、宣伝をデザインした人は誰であるか。彼らが捉えようとしている観客層とは?どこで出版されたか、そしてその頃、何が起こっていたか。

例えば政治演説は10年後に読んでもパワフルですが、その頃の歴史的状況も効果を高める重要な要素です。

主張(claims)、支援(supports)、根拠(warrants)

いかなる議論をするにしても、筆者は特定の主張(claims)をして、データや証拠、時には道徳的/感情的アピールを用いてその主張を支持(supports)して、読者が同意するように論理的に一つ一つの点を繋いでいくことが重要です。

根拠(warrants)には論理的な説明が必要ですが、常に明確に説明されているわけではありません。明白(explicitly)や暗黙(implicitly)のどちらの表現方法にしても、おそらく読者に根本的な道理は分かってもらえるであろうという単なる作家の推測であったりします。暗黙的根拠は幸せそうに見える人々が使う製品、着る服やアクセサリー、香水、もしくは特定のライフスタイルの宣伝によく使われます。それは、先ず、その製品、香水、ライフスタイルが人々を幸せにすると意味合いがあり、更に、読者たちも宣伝に出ている人たちと同じくらい幸せになりたいという意味合いがあります。時には全く明らかにされない根拠もあります。その場合、レトリックな分析エッセイの筆者であるあなたの役目は、根拠を識別して明確化して、根拠の正当性や読者に対する効果、そして作家や創作者の意図を評価する事です。

プラトンは、現在の学術文で未だに使われている多くのレトリックなコンセプトや要素を紹介しました。

5つのレトリックな状況とは?

レトリックな状況とは、記述された文やコミュニケーションの先にある、文脈から湧き出る環境を示します。なぜ修辞法が必要だったのか、目的は何であるか、その目的を果たすためにどう構成されたか。

レトリックな状況とは、次の5つのカテゴリーに分けることが出来ます。

1) 目的 (Purpose): なぜその原文が書かれたり、漫画が描かれたのか。誰かに伝えたいことがあったのか。特定の観客に通告したかったのか。特定のグループの人々を楽しませたかったのか。

2) 観客 (Audience): どん人々が読んだり見たりして(もしくは過去に読んだり見たりして)影響され、やる気を起こすのか。

3) ジャンル (Genre): どんな分野の執筆/宣伝広告/コミュニケーションであるか。

4) 立場 (Stance): それは何を象徴しているのか。作家がその時にいた状況、もしくは今いる状況にどう当てはまるのか。

5) 手段 (Medium): どのような形、意味、テクニックを用いて観客と通達しているのか。

あなたが修辞法を分析する上で、上記のような質問を自らに問いかけると、観客に及ぼす影響の全ての役割が明確になってきます。そして、意図目的を達成したか、失敗に終わったかを評価できるようになります。

修辞法分析エッセイの概要

他者が執筆した文書を分析するのは大きな仕事のように見えますが、宿題や作文を書くと同じように、小さく分別して、踏むべきステップを明確にすると、これからの実用的な構造が見えてきます。

書き終わった後で各セクションがどうあるべきであるかの例として、ニューヨーク州オルバニー市にあるエクセルシオ大学(Excelsior University)のOnline Writing Labウエブサイトに出版されている修辞法分析エッセイの例(rhetorical analysis essay example)からの役立つコメントも含めて抜粋してみました。このエッセイでは、Ipadを購入するべきか否やを分析しています。自らのレトリックな分析のテンプレートを作成するために更なる例を参考にした方はNabokov’s Lolitaにあるエッセイや、Anne Lamott作の執筆指導本Bird by BirdのShitty First Draftsのチャプターをこちらからご覧ください。

原文の分析 (Analyzing the Text)

修辞法分析の執筆の際、関連があると思ったり、あなたが強調したい主旨は選ばないこと。その代わり、何度も原文を読み直し、レトリックな状況の最後のセクションで、レトリック表現の効果が十分に出ているか否やを自分に問いてみてください。

先ずは作家(author)に焦点をあててみます。このテキストを書いた作家の目的は?主な主張があり、巧みにその主張を盛り上げていますか?もしくは別の課題について論議していますか?

次に観客(audienceに焦点をあてます。特定の人々に何かの行動を促していますか?誰かに投票して欲しいとか、善因で献金をして欲しいとか。特定の人々とはどんな人々でしょうか。そしてそれらの人々に意図は伝わっているようですか?そう思う理由は?

観客に向かって、作家はどのようなトーン (tone)を使っていますか?同情を求めていますか?怒りを求めていますか?作家の個人的な観点から書いていますか?その課題に関して作家は権威者であるかのように書いていますか?学術的、情報的な言語を使っていますか?

どのような方法で作家は自らの主張を支持 (support their claims)していますか?どのような証拠を提示していますか?明白もしくは暗黙的な根拠を提示していますか?それらの根拠は正当ですか、疑わしいですか?提示された証拠は説得力がありますか?

上記の質問を考慮することで、どのような種類の修辞法が使われているのか、目標達成のためにいかにその修辞法が有効に使われているのかを明確にすることが出来ます。忘れてはならないのは、レトリックな分析エッセイにおいては、あなた自身の意見や、あなたが原文の作家の意見に同意するか否やは重要ではないということです。あなたの役目は単にレトリックな原文を評価する事です。

それでもレトリックな分析エッセイの書き方が分からないというのであれば、下記のステップを踏んで、レトリック分析エッセイの各セクションを書いて見てください。セクションとは、通常のエッセイと同様、序説(Introduction)、本文(Body/実際の分析)、結論(Conclusion)で構成されます。

レトリック分析の序説 (Rhetorical Analysis Introduction)

レトリック分析の序説(イントロダクション)では、分析するエッセイの課題、作家、主な主張、そしてあなたが執筆したエッセイを短くまとめた概要、あなたのエッセイのテーマ(thesis statement)を簡素化して説明します。

先ずは、あなたが分析する原文が何を伝えているのか、もしくはそれに関連性した物事を読者に伝えます。作家の主張(Claim)、断言(asserts)、暗示(implies)、どのようなテクニックを用いて観客を説得しているのかを記述します。序説の最後では、次のセクションで記述される内容を読者に知らせます。例えば、作家の憶測(assumption)、主張 (claims)、議論(arguments)は、意図した通り、論理的に、魅力的に、力強く観客に伝わっていると思うか否やなど。

序説のセクションがどうあるべきであるか、エッセイの例文からの抜粋をご覧ください。作家と記事がどう紹介されているか原文で記述された通りの文脈作家の主張次の本文セクションに続くようにパラグラフを終了させる記述方法を参考にしてください。

Cory Doctorow’s article on BoingBoing is an older review of the iPad, one of Apple’s

most famous products. At the time of this article, however, the iPad was simply the latest Apple product to hit the market and was not yet so popular. Doctorow’s entire career has been entrenched in and around technology. He got his start as a CD-ROM programmer and is now a successful blogger and author. He is currently the co-editor of the BoingBoing blog on which this article was posted. One of his main points in this article comes from Doctorow’s passionate advocacy of free digital media sharing. He argues that the iPad is just another way for established technology companies to control our technological freedom and creativity. In “Why I Won’t Buy an iPad (and Think You Shouldn’t, Either)” published on Boing Boing in April of 2010, Cory Doctorow successfully uses his experience with technology, facts about the company Apple, and appeals to consumer needs to convince potential iPad buyers that Apple and its products, specifically the iPad, limit the digital rights of those who use them by controlling and mainstreaming the content that can be used and created on the device.

BoingBoingで掲載されたCory Doctorowのアップル社の最も有名な商品であるiPadに関するレビュー記事。この記事が掲載された時期は、まさにiPadはアップル社が発売した最新の製品で、まだそれほど人気が無かった時のことです。作者のDoctorow氏はテクノロジーで名声を確立していました。彼はCD-ROMのプログラマーとしてキャリアを積み、今やブロガーと作家として成功しています。現在彼はこの記事が掲載されたBoingBoingのブログの共編者です。この記事での彼の主な主張は、デジタルメディア共有を支持する彼の情熱から来ています。彼は、iPadは、名高いテクノロジー企業がテクノロジーの自由と創造力をコントロールする為の方法に過ぎないと論じています。2010年4月にBoing Boingで掲載出版された”Why I Won’t Buy an iPad (and Think You Shouldn’t, Either)”という記事で、Cory Doctorow氏は、彼自身のテクノロジーにおける経験、アップル社に関する事実、iPad購入を考慮している消費者にアップル社やアップル社が製造する製品、特にiPadの消費者ニーズに対する抗議を巧みに取り入れています。そして、それらの製品を使用する人々に、iPadで使用したり作ったりできる物がコントロールされ、デジタル権利の制限に関して記述しています。

レトリックな分析の本文(Body

あなたの分析のメインとなるセクションは、分析の詳細を表現する本文(Body)です。このセクションで、観客への通達方法、楽しませ方、説得方法を説明します。アリストテレスのレトリックトライアングルや、上記で説明した他のコンセプトを使ってみましょう。あなたの意図を明確にする為に、原文からの引用もいいでしょう。作家が特定なアプローチ方法を選んだ理由を明らかにして、それの方法が如何に効果的であったかの評価をします。レトリックなテクニックが観客にもたらした効果を評価して、その効果は作家が意図したものであったかを審議します。

あなたの思考過程を読者に理解して貰う為の簡単な方法として、1つのパラグラフの中には、1つのストラテジーやコンセプトのみに焦点をあてる事です。そしてパラグラフ内の全ての情報は、あなたの論議発展に必要な情報であることを説明します。

下記は、エッセイ上でこのセクションに当てはまるパラグラフの一例です。

One example of Doctorow’s position is his comparison of Apple’s iStore to Wal-Mart.

This is an appeal to the consumer’s logic—or an appeal to logos. Doctorow wants the reader to

take his comparison and consider how an all-powerful corporation like the iStore will affect

them. An iPad will only allow for apps and programs purchased through the iStore to be run on

it; therefore, a customer must not only purchase an iPad but also any programs he or she wishes to use. Customers cannot create their own programs or modify the hardware in any way.

Doctorow氏は1例でアップル社のiStoreWal-Martを比較しています。これは消費者の論理に対する抗議、もしくはロゴス(Logos/理論)に対する抗議です。Doctorow氏は読者に2社を比べさせ、iStoreのように巨大な力をもった企業がもたらす影響を示唆して欲しかったのです。iPadiStoreで購入されたアプリやプログラムのみの使用を許可します。その為、消費者はiPadを購入するだけでなく、使用したいプログラムも購入する必要があるのです。消費者自身がプログラムを作ったりハードドライブを変更することは出来ない仕組みになっています。)

お分かりのように、この例文エッセイの筆者は、ただ単に詳細を並べているだけではなく、Doctorow氏が如何にロゴスのコンセプトを読者に伝えようとしている事を認識、説明しています。

レトリックな分析の結論 (Rhetorical Analysis Conclusion)

結論セクションでは、あなたの分析の主論議を再記述して、作家が目的を果たせたか否やを強調します。このセクションに新しい情報は入れないように。エッセイの本文で記述した内容のみに焦点を置きます。原文が観客や社会全体にもたらし効果の結果を記述して結論セクションを終わらせます。

Overall, Doctorow makes a good argument about why there are potentially many better

things to drop a great deal of money on instead of the iPad. He gives some valuable information

and facts that consumers should take into consideration before going out to purchase the new

device. He clearly uses rhetorical tools to help make his case, and, overall, he is effective as a

writer, even if, ultimately, he was ineffective in convincing the world not to buy an iPad.

(全体的にDoctorow氏は、iPadの他にもお金を費やすに値するもっと良い物があることを議論しています。彼は、消費者が新しいデバイスを購入する前に考慮するべき価値のある情報や事実を提供しています。彼は明確な修辞法を使っています。iPadを買わないように世界中の人々を説得出来なかったけれど、作家としては優れています。)

レトリック分析エッセイでよくある質問

レトリック分析エッセイとは何?

レトリックな分析とは原文や他の通達方法を分解して、観客への効果を説明するものです。目的を果たせたか、そしてそのためにどのようなレトリック技巧が使われたのか。

議論的エッセイは特定の課題と議論に対する自らの位置付けをしますが、レトリック分析では、他者が設定した議論と、その主張を支えるものを認識することを目的とします。

正しいレトリック分析エッセイのフォーマットは?

他のエッセイと同様、レトリック分析は、論文課題を記述する序説、通達方法を分析して、議論がどう設計され、いかに読者に説得、情報提供、読者を楽しませたかを記述する本文、そして分析結果をまとめる結論で出来ています。

レトリックトライアングルとは何?

レトリックトライアングルはアリストテレスによって、観客を説得することを主な目的として使われる言語として紹介されました。ロゴス、エトス、パトスを合わせて、意図した効果を作り上げることが出来ます。そして原文を分析するあなたの役目は、作家の主張を詳細化して、主張の基礎となっているコンセプトを識別する事です。

ワードバイスがあなたのエッセイを完璧にするお手伝いをします

レトリック分析エッセイを書く理由が宿題だったり願書エッセイであっても、ワードバイス編集者が趣旨に沿って定められたフォーマットで書かれていることを確認して、あなたの執筆の流れや表現方法を向上させるお手伝いをします。自信を持って文書を投稿したり志望校に願書が出せるように、ワードバイスを他者の目線としてご利用下さい。

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