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ジャーナルのオープンアクセス化が学術界にもたらす影響

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

本日はジャーナルのオープンアクセス化の流れと学術界に与える影響について考察してみます。

2015年 1月 1日に発表されたBill & Melinda Gates Foundation (the Foundation) Open Access Policy は学術出版システムの転換において重大な役割を果たしました。Bill & Melinda Gates財団は学術分野への世界最大の後援団体(1年に40億ドルの寄付)として知られています。その財団が、ジャーナルアクセス無料化を促進し、学術コミュニティ内での活発な交流を支援するために、オープンアクセスポリシー(Open Access Policy)を発表したのです。このポリシーは2年間の移行期間を設けており、その間は財団が支援した研究であっても掲載ジャーナル側でアクセス制限が可能でしたが、移行期間が経過した現在、すべてのジャーナルにおいて、財団の後援を受けた研究を掲載する際は無料アクセスを提供しなくてはならないことになっています。

Bill & Melinda Gates 財団のオープンアクセスポリシーが与えた影響

IF(インパクトファクター)の高いジャーナルの多くが、会員限定の有料アクセスにより高い収益を得ています。そのようなジャーナルにとって、財団の援助を受けた論文の掲載すなわちオープンアクセスでの論文の提供はなるべく避けたいはずです。また、逆の立場から考えてみれば、高IFを持つ有名なジャーナルへの論文掲載が実績評価の主とした要素となる研究者にとっては財団の支援を受けることで自身の研究がジャーナルにアクセプトされにくくなってしまうのではないかという憂慮も生まれるでしょう。しかし、財団が学界にもたらした影響は必ずしもネガティブなものだけではありません。

世界最大の影響力を持つ財団が発表したオープンアクセスポリシーは、既存のジャーナルにビジネスモデルの再考を促しました。良質なジャーナルは、読者にとって有益な論文を掲載することにプライドを賭けています。世界中から投稿される論文の中から最高の論文を選び抜いて掲載することがジャーナルの名誉そのものであるにもかかわらず、収益のために優秀な論文の掲載を諦めるならば、それはジャーナルの読者の信頼を裏切る行為になってしまいます。

Bill & Melinda Gates 財団のオープンアクセスポリシーには、世界2位の規模を誇る医学研究支援団体であるWellcome Trustが続きました。このような状況を考慮すると、他の学術スポンサー団体も続々とBill & Melinda Gatesの動きに続く可能性を予見できますが、それはつまり購読型ジャーナルの終末を意味します。

ジャーナルが最終的にこのようなスポンサー団体の動きに屈してしまうのかはまだ分かりませんが、一つ確実に言えるのは、財団側がオープンアクセスポリシー撤回することはないということです。それはなぜでしょうか?

科学とは本質的に多くのデータと様々な人々の協力を必要とするものです。ここで費用が障壁となって科学の発展と知の共有を妨害することはあってはなりません。この信念こそが学術支援団体の行動原理であり、有料ジャーナル閉鎖的なアクセス環境は、この信念に反するものと受け取ることができるからです。

既存のジャーナルシステムに対する財団の代案とは

学術支援団体は、既存のオープンアクセスジャーナルを支援するほかにも、有料ジャーナルシステムに代わる独自の論文出版システムを開発し、実験中にあります。

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