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英語論文での時制の使用法

こんにちは!英文校正ワードバイスです。
英語を母語としない著者が英語論文を書く際にミスを犯しやすいのが適切な時制の使用と言えます。
本日の記事では、論文のIMRD(Introduction,Method,Result,Discussion)それぞれのセクションに適した時制や表したい文意に合わせて時制を使い分ける方法を解説しています。

英文での時制の重要性

各時制には単純な過去-現在-未来といった時間の推移を表すだけに限らず、様々な文法的意味を持ちます。例えば、未来時制は基本的に不確実性を示す時制であるため、証明された事実を述べるための論文ではほとんど使用されません。従って、時制使用のテクニックについて知っておくことは単純に時制使用のミスを防ぐという観点からだけではなく、論文の伝える力を強化するという点でも重要です。

セクション別に適した時制

Abstract

論文全体の要約であるアブストラクト(抄録、要旨)で使用される動詞の時制は、各文章が対応している本文セクションの性格に基づいた形にします。例えば、研究課題について説明する文章は現在時制、先行研究のレビューは現在完了、研究方法と結果についての説明は過去時制を使用する、といった形です。ただしアブストラクトでの時制については、アブストラクト全体の目的や狙いも関わってくるため、詳しくは下の記事をご覧ください。

Introduction

Introductionは一般的に学問分野で認められている背景知識に触れつつ、更に自分の研究が該当分野にて重要な意味を持つ理由について説明するセクションです。広く知られている事実について述べるときは、現在時制を使用します。また、現在時制は特定の研究結果や図表、または論文自体が文章の主語であるときに使用します。

例: Imides/amides exhibit excellent chemical, thermal, and photochemical stability of organic semiconductors.
The results of Yang et al. suggests a novel therapy.

序論で現在完了時制は研究と関連する結果を記載している先行研究について言及するとき使用されます。

例: Yang et al have shown that the drug is effective.

先行研究で使用された特定の方法について触れるときは、過去時制が適しています。また、現時点で事実と認められていない事項についても過去時制を使用しなくてはなりません。

例: Yang et al observed the results through the SEM.
It was believed that the lac operon was involved in the expression of the gene.

Method

Methodセクションでは既に終了した実験・研究で何を行ったのかを説明しているため、単純過去時制を使用するのが一般的です。

例: The epidural fat was dissected with an RF electrode.

ただし、図表を使用する場合は、現在時制を用いて図表について言及しましょう。

例: Figure 2 below shows the expression level of the AB gene.

Results

結果セクションでは研究から得た結果を説明するために、過去時制を使用します。

例: Overall, the expression of the AB gene had a positive correlation with the insertion of the XY gene.

ただし、ここでも図表に言及するときは現在時制を使用します。

例: Figure 1 displays the fast interlock interface signal flow.

Discussion

結果の重要性を強調するためには現在形を使用するとより伝達力が高まります。

例: Suppression of the AB gene appears to negatively affect the expression of XY gene.

結果の意味を説明・分析するためには現在時制を、結果を要約するためには過去時制を使用しましょう。

例: As the expression of the gene AB did not correlated with the expression of XY gene, it is possible that the gene AB may not be involved in the mechanism.

英語論文のセクション別に適した時制をこちらの記事で図にまとめましたので、ぜひ一緒にご参照ください。

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