2021年12月15日

研究論文の執筆でしがちな間違い: 句読点

Wordvice

学術文書の執筆において、全体的な間違いの中で、句読点の使い間違いが大きな比率を占めます。

わが社のお客様文書データによると、英語を母国語としない筆者が書いた学術文において、句読点の使い間違いは文法やスペルミスのような他の間違いに比べると少ないと出ていますが、それでも、このような間違いは、研究内容を読者に正確に伝える妨げになる場合があります。更に、母国語以外の言語での執筆となると、正しい単語や文構成のような、もっと明らかな他の問題に気を取られてしまい、句読点の間違いは見逃されてしまう事が多いのです。

句読点は、前置詞や選択する単語に比べると習慣的に間違えてしまうわけではないので、執筆上の他の間違いよりも訂正しやすいのが利点です。ですので、ここでは一般的な句読点の規則の説明ではなく、研究論文でしがちな句読点の間違いをリストにして、間違いを避ける方法をご案内します。

研究論文の執筆において、句読点の正しい使用が重要な理由

句読点を正しく使うことは重要です。なぜなら、コンマ、ピリオド、コロン、セミコロン、ダッシュが無ければ、文や節がどこから始まってどこで終わるのか、またそれらの文や節の関係が読者にはわからないからです。疑問符(クエスチョンマーク/?)や感嘆符(エクスクラメーションマーク/!)や引用符(クオーテーションマーク/“”)や括弧(ブラケット/( ))の表記が無ければ、強調されている箇所が分かりません。

学術文の執筆で、情報やアイデアを読者に理解して貰う為に、文の内容を明白にすることが何よりも重要です。それに、間違った句読点の使い方をすると、せっかくの論文やエッセイが雑で非学術的になってしまいます。これらの間違いを避ける為に、下記の句読点の例をご覧ください。そしてご自分の論文や課題文書を提出する前に、ありふれた間違いをしていないかご確認下さい。

目次

  1. 文を数字から始めない事
  2. 略記でピリオドを使用しない事
  3. 読者に推測させない – 略記は明白にする事
  4. 括弧やコンマ、ピリオド等の後のスペース(コロンは対象外)
  5. セミコロンはコロンのようには使わない事
  6. 米国英語と英国英語のスペルと句読点は異なる

文を数字から始めない事

文を数字からはじめる事は避けるという事は、全ての主な執筆スタイルガイドが同意していますし、その理由は文を読みづらくしてしまうからです。もちろん、数から文をはじめるのが規則違反であると言っているわけではありません。数字から文が始まらないように、文の構成を変えて(リフレーズ)見るといいのですが、それでも研究の結果(results)考察(discussion)の箇所では、リフレーズには多大な努力を要するかもしれません。その場合は、数字をスペルアウトして使って下さい。

NO  54% of our patients responded to the medication.
YES  Of all patients treated with heparin agents, 54% showed a good response.
YES  Fifty-four percent of our patients responded to the medication.

上記の例は、文の始めに数字を持ってこないルールの例外です。文の始めに数字を持ってくる場合は、数字をスペルアウトするように。文中の数字のスペルアウトは不要です。

YES    Nine percent of our patients showed immediate improvements, and a total of 17% eventually recovered.

略記でピリオドを使用しない事

韓国のアイドルグループ(V.O.S, I.O.I, D.Holic,B.A.P等)は例外として、頭文字やイニシャルの間にピリオドは置かないように。ピリオドは文の終結か略語を示すもので、略された語の全てに置く(例えばU.S.A., a.m., Ph.D.)か、略語の最後に置くかに統一するべきですが、多くのラテン語の略語はet al., etc. ca.のように後者の場合が多いです。USA, am, PhDのように、ピリオドを全く使わなくてもいい場合も多々あります。どちらのスタイルにするかは自分で決めて、文書全面で統一する事が大切です。

NO All participants were self-declared fans of the U.S.A team.
NO  All participants were self-declared fans of either the U.S.A. team or the UAE team.

読者に推測させない – 略記は明白にする事

略語は単語やフレーズを短くした形式で、単語やフレーズの代わりに使用する事が出来ます。例えばUSAはthe United States of Americaの正式な略語です。略語は長さや時間を短縮する為に使いますが、更に長い言葉やフレーズを何度も文中で繰り返す事を避ける為にも使用します。時には、略語を単語やフレーズとして知らず知らずのうちに使っていたり、自分では日常当たり前のように使っている略語なので、読者が何の略語なのか理解出来ないという事を、もしかしたら気づけない場合もあるかもしれません。

NO   The MWM is a test of spatial learning for rodents.
YES  The Morris water maze (MWM) is a test of spatial learning for rodents.

略語を使う場合、先ず最初はスペルアウトして括弧内に略語を記入、その後は全文書にわたって全て略語を使用します。スペルアウトしたり略語にしたりと混ぜ合わせないように。

多くのスタイルガイドでは、論文であれば文中に最低3回は出てくる用語は略語にするように、ジャーナルであれば専門分野に関する略語はスペルアウト不要と奨励されています。文中での略語の説明の代わりに、略語のリストもしくは具体的なガイドラインを提出するように要求するジャーナルもあります。関連したスタイルガイド(APAスタイル等)や投稿するジャーナルのガイドラインを必ず確認して下さい。

括弧の前のスペース(コロンは対象外)

鍵括弧や丸括弧は、前にくる単語と後にくる単語との間にシングルスペースを置きます。少し息抜きをさせるという感じです。

NO   The control group(recruited at the same school)was larger than the test group.
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group.

下記の例文のように、句読点(コンマ、コロン、ピリオド)は鍵括弧や丸括弧の後にスペース無しで置きます。

NO Results were analyzed according to age (except for the variable “education”) .
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group.   Results were analyzed according to age (except for the variable “education”). 

数字と度量単位の間にはシングルスペースが必要です。

NO   The control mice measured 5cm, 6.5cm, and 8.2cm, respectively.
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group. The control mice measured 5 cm, 6.5 cm, and 8.2 cm, respectively.

度量単位が名詞にかかる形容詞の役目をする場合は、スペースの代わりにハイフンを使用します。

NO   A 5 sec interval was inserted between detection trials. 
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group.   A 5-sec interval was inserted between detection trials.

一貫性を保ち読みやすくする為に、数学的記号の前後にもスペースを入れる事も重要です。通常、数学的記号の前後のスペースは、入れても入れなくてもどちらでも良いのですが(投稿するジャーナルの特定の規定ガイドラインをご確認下さい)、全文書で一貫性を保つことが大切です。例えばp値(p-values)をp<0.05のように記述する場合は、結論(result)の箇所s=0.013などというような記述に変える事は避けましょう。

コロンの前にもスペースは不要です。コンマ、セミコロン、ピリオドと同様、コロンは文字や鍵括弧、丸括弧の直後にスペース無しで置きます。

NO Different intervals were inserted between detection trials : 4 sec, 5 sec, and 2 sec. 
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group.   Different intervals were inserted between detection trials: 4 sec, 5 sec, and 2 sec.

セミコロンはコンマのような使い方をしないように

セミコロンは“コンマよりも強く”“ピリオドよりも弱い”などとしばしば記述されますが、実は、これらの句読点(コンマやピリオド)の代わりとして使用するわけではありません。

文と文はピリオドで分けますが、強い関連性がある複数の文に限って、下記のようにセミコロンを使って分ける事も出来るのです。

NO   My brother lives in Spain; on Christmas, the whole family will meet again.
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group.  My brother just entered Korea University; he is majoring in clinical psychology.
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group.  Birth rates have been falling for years; consequently, less and less students enter university every semester.

セミコロンはコンマの代わりとして、単語のみではなく、既にコンマやダッシュのような句読点を含む並列表記を分離させる為に使用する事も出来ます。このような並列表記の中でコンマを使うと、読者が理解しづらくなってしまう場合が多々あるからです。

NO  Participants were recruited at several different locations, including the Charite Hospital ‒ the only participating institution with a specialized department in this area ‒ in Berlin, Germany, Samsung Medical Center in Seoul, Korea, and Tokai University Hospital in Tokyo, Japan.
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group.  Participants were recruited at several different locations, including the Charite Hospital ‒ the only participating institution with a specialized department in this area ‒ in Berlin, Germany; Samsung Medical Center in Seoul, Korea; and Tokai University Hospital in Tokyo, Japan.

米国英語と英国英語では、スペルと句読点は異なります

記事や論文の執筆は、米国英語もしくは英国英語のどちらかに統一することは言うまでもありませんが、それでも、時々、スペル、単語、句読点が異なる事を忘れてしまう執筆者がいます。必ず一貫性を保つ事は重要です。

例えば、米国英語のダブルクォーテーションマークと英国英語の逆コンマの違いはスペルと同じ程度大切です。

NO Behaviour was measured with items rated on a 5-point scale, ranging from 1 = “strongly disagree” to 5 = “strongly agree”.
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group.   Behavior was measured with items rated on a 5-point scale, ranging from 1 = ‘strongly disagree’ to 5 = ‘strongly agree’.
YES  The control group (recruited at the same school) was larger than the test group.   Behaviour was measured with items rated on a 5-point scale, ranging from 1 = “strongly disagree” to 5 = “strongly agree”.

ここでもう一つの重要な点は、米国と英国英語の違いに“オックスフォード コンマ(Oxford comma)”があります。この名前は英国名門大学から来たものですが、このコンマは、3個以上の並列表記の際、最後の表記の前に置くandの前にコンマをおくのは米国スタイルでは当然ですが、英国ではそうでもありません。通常、このコンマを使うか否やは執筆者が決めますし、英国英語に関しては、ほとんどのジャーナルは、このオックスフォードコンマを使っても使わなくても間違いとは見なされません。使わない事で、時にはあいまいな表現を避ける事も出来るからです。ただ、覚えておきたいのは、一つの文書内ではあくまでもスタイルを統一するという事です。

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