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論文の著者順を決めるルールとその重要性

こんにちは!英文校正ワードバイスです。

研究論文は、1,2人で書くことは稀です。実際に統計を見てみると、研究論文は平均5人の著者がいることが分かっています。最近では学際間・産学連携による様々な共同研究プロジェクトが増えていますが、これは論文の共著者同士での利害関係が今までになく発生しやすい環境となりつつあることを意味しています。特に論文の権利関係について目に見える形で浮かび上がるイシューの一つが、論文著者名の表記順と言うことができます。

基本的に論文での著者順はそれぞれの研究者の相対的な貢献度に応じて決まるのが原則ですが、例えば本当に全員が同程度にプロジェクト進行に貢献していたとしたら、第一著者をどのように決定すればいいのでしょうか。また、学際的な共同研究の場合、各分野からの貢献度をすべて同じ基準で判断しても良いのでしょうか。

今回の記事では、著者名表記にどのような基準を適用できるのか、また、著者名記載順が具体的にどのように問題になるのか解説していきます。

著者順が重要な意味を持つ理由

そもそも著者として認められるのは、研究プロジェクト・論文執筆において一定レベル以上の貢献をした人物だけです。本来著者として名を連ねる以上はすべての人物が研究に対し同程度の寄与をしており、そしてまたすべての著者が同等の扱いを受けるのが原則です。しかし、学術界の事務的な融通上、いわゆる第一著者のように一人の著者が代表としての役割を担うようになるのは避けられない状況があります。

著者指定に関しては、以下のようなイシューがあります。

著者順を決める際の一般的なルール

著者順を決めるために、分野によりいくつかのルールがあります。

  1. 相対的貢献度
    上で説明しているように、著者順を決める際の最も一般的な方式と言えます。研究・論文執筆に最も多く貢献した著者が第一著者となります。あとは貢献度の高い順に順位が決まります。ただし、生命科学分野など特定の分野では最終著者(last author)が研究責任者となり、その研究を指導した人物が表記されます。
  2. アルファベット順
    大規模な共同研究がよく行われる分野では、1とは異なる方法を採用しています。例えば、素粒子物理学などではアルファベット順の表記を採用しています。
  3. 複数の第一著者
    記号を使用して複数の第一著者を指定する方法です。学際的な研究でよく用いられますが、それでもやはり一番目に表記された著者が最も多くの注目を浴びる事実は変わりません。
  4. 複数の最終著者
    3の方法と同様に、最終著者(last author)が複数の場合も、記号や脚注を使用して示すことができます。一部のジャーナルでは研究所の主席研究員が研究室で行われたすべてのデータとその解析を監督するよう規定しており、そのことによってこのような表記原則が生まれました。
  5. 共同研究者同士で妥結
    第一著者と最終著者に関する規定はあっても、中間著者については特に統一された規定がないのが現状です。どの場合も共著者同士で十分に話し合い、全員の了承を得た上で決定することが重要です。

著者順を安易に決めてしまうと、後に論文や論文で扱っている研究に関わる権利をおいて深刻な問題を招くことになります。後々利害関係で衝突してしまわないためにも、投稿前に著者順に関わる問題をきちんと考慮しておくことが重要です。投稿直前に焦って決めるのではなく、十分な時間的余裕を持って著者順に関する合意を図りましょう。また、著者名表記に関するジャーナルのガイドラインは変更される場合もあり、随時確認しておくことも忘れてはいけません。

論文の著者名表記に関する関連資料

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