2022年03月07日

研究結果がもたらす意義 (Implications of a Research Study)とは?

Wordvice

研究者であれば、自らの研究が如何に意義があり重要なものであるかを説明する為のbackground for your study (研究背景)clear rationale (明確な理論的根拠)の提示とstatement of the problem (課題ステートメント)を明確に述べる必要がある事はご存じですね。そして方法論的質問に全て答えながら、論文の最初から最後まで読者を導かなければなりません。

しかしながら、多くの著者は論文の最終箇所になると力尽きてしまうせいか、研究の筋からやや外れてしまう時があります。そのような場合は、たとえdiscussion section(考察の箇所)で研究結果が明確に要約されていて、introduction (序説)で記述した研究課題と一連していて、過去の研究の内容に関連付けながら考察していたとしても、何かが欠けてしまっているのです。苦心して最後にたどり着いたような疲れ果てた著者は、大抵の場合その欠けている部分に気が付かず、既に論文の中で記述した同じ内容をconclusion section (結論の箇所)で説明してしまいます。結局、それ以上説明する内容が無いからです。

ところが、最終原稿を投稿した翌日再び日が昇るのと同じ確率で、原稿担当者か書評家から「研究結果がもたらす意義の記述が無い」というコメントと一緒に原稿が戻されてしまうでしょう。あなたの研究デザインや分析のあらゆる詳細に目を通せない編集者や書評家は、研究の主旨が「この研究が重要であった理由」や「研究結果が意義深いものである理由、誰にとって意義深いか、そしてこの研究結果が今後影響をもたらす可能性」が記述されている事を重視します。そして、それがあなたの研究結果がもたらす意義なのです。

序説箇所(introduction section)で研究結果がもたらす意義は既に説明したのに

おそらく研究の重要性や、その研究が誰にとって重要であるかの説明は既にしている事でしょう。そうであっても、自らの研究結果(研究初期で予測した結果とは異なっているかもしれません)が、いかに適切で、その上、今後の研究や政策立案者たちが行う実践的/論理的立案に役立つ旨を明確に記述する必要があります。これらの研究結果がもたらす意義は、研究のパラメータや結論に基づくべきであり、超一般化を避ける為にも可能性の高い方法論やサンプルの限界を考慮するべきです。

編集者や書評家が研究の重要性を推測しなければならなかったり、研究の重要性はあなたと、あなたの情熱を共有して同じ課題に成就した同僚にしか無いと判断されると、それはデスクリジェクト(desk reject)の理由になってしまいます。これを避ける為に、この記事では、研究結果がもたらす異なる種類の意義を幾つかの例を取り上げながら説明して、研究結果がもたらす意義を配置する論文内の箇所を説明します。

目次:

1.研究結果がもたらす意義の種類

2. 研究勧告(recommendations)と研究結果がもたらす意義(implications)の違い

3.  研究結果がもたらす意義の例

4. 論文内での研究結果がもたらす意義の配置箇所

研究結果がもたらす意義は、基礎データや結果の範囲を超えて、他の研究者、その分野の関係者、住民たちに研究結果を説明するものです。

研究結果がもたらす意義の種類

研究の種類(臨床的、哲学的、政治的など)によって研究結果がもたらす意義も同様に臨床的、哲学的、政治的、社会的、倫理的になります。ただ、最も重要な特徴は、実践的な意味であるか、論理的な意味であるかです。なぜなら、論文内で実用的に役立つ研究結果である旨の記述が一切されていない事をほとんどの書評家は一目で見抜き、要注意のフラグを付けられてしまうからです。

もちろん、あなたの研究が数学論理的なものであれば、他研究の論理の間違いを暴く結果になるかもしれないので、現実社会の問題解決に活用したいのであれば、それなりの精神的な覚悟が必要かもしれません。でもそのような場合、おそらく書評家や読者からは現実社会における研究の意味は問われないでしょう。あなたが、本気で自分の研究が注目、出版、受賞などに値すると読者に伝えたいのであれば、行った実験や文書から得た知識を現実社会に関連させ、自分の研究結果がその分野(方法論的に)、一般的な実技(たとえば患者の治療や教育基準)、一般社会(コミュニケーション方法など)、もしくは倫理基準(たとえば動物研究)に永続的な影響を及ぼすことを明記するべきです。

あなたの研究結果が世界を変える、という事が重要なのではなく、研究結果を出版したり実施すれば世界が変わるかもしれない、という可能性が重要なのです。Merriam Webster online dictionary(メリアム=ウェブスター オンライン辞典)によると、implicationの本質的な意味は「考え得る将来の影響や結果」となっています。この考え得る結果を認識して記述するべきなのです。そして、クリエイティブに執筆するのも結構ですが、自らの仮説が現実的な期待から外れない事と、方法論的限界の考慮を忘れないように。

例えばあなたの研究が動物をモデルにした病気の遺伝的根拠であるならば、同病気の人間における治療方法の結論を出すべきです。そうしないと、あなたの原稿は書評に回して貰えないかもしれません。同様に、母国の高等教育機関におけるCovid-19パンデミックの影響の研究をしたとすれば、世界中の関連性を主張する為に、他国のパンデミック状況や、教育システムの規定や違いを記述した上で、研究の結論に至る事が重要です。

研究勧告(recommendations)と研究結果がもたらす意義(implications)の違い

既に上記で説明したように、研究結果がもたらす意義(implications)とは、自らの研究の重要性と、その研究結果が特定分野での実践、論理的モデル、政策立案、もしくは将来の研究に役立つことを説明します。それは前記したように、あなたの研究結果から、明日世界を変える必要性を求めているのではなく、あなたの研究には何らかの影響力があると信じる事が重要なのです。一方、研究勧告(recommendations)とは、あなたの研究に基づいて、特定な状況で最良の行動方針を提案する事を意味します。例えば、同じ分野の同じ課題に、既に確立されている3通りの別の方法で取り組み、結果を比較して、そのうちの一つの方法は効果が無いので使用するべきでは無いと結論を出したとすると、それが将来の研究への研究勧告なのです。

または、「コロナ支援プログラム」の支援金が地域経済にもたらした影響を母国で分析したとして、政府が提供した殆どの支援金は地域企業ではなくAmazonに流れていた発見をしたとすると、政府は次回からはもっと優れた計画を立てるべきであることを勧告できるのです。そのような具体的な勧告は研究結果がもたらす意義の提示の後に続きますが、逆の順番になることはありません。何故なら、いかなる場合も研究結果がもたらす意義の認識が必要ですが、全ての研究が必ずしも実践的な提案や現実社会における勧告が出来るわけではないからです。

研究結果がもたらす意義の例

1.臨床的研究結果がもたらす意義

ある病原菌を耐性反応も無く効果的に排除する新しい抗生物質を発見したとしましょう。その場合、あなたの研究結果がもたらす意義は、病原菌の感染を以前よりも早く治療する事が出来るようになる(研究結果に基づく予測や具体的な行動を提案することなく)という事です。そして、ここでの研究勧告(recommendation)は、医師はこの抗生物質の使用を開始すること、公式の治療のガイドラインでこの抗生物質を認めること、国内の国民健康保険の適用が可能になるべきであることなどです。しかしながら、研究の結論や、発見した抗生物質を実際に使用するとなると、更にどの程度の研究や発展を要するかによって、そのような勧告に無理がある場合もあります。それでも研究結果がもたらす意義(implications)は研究の結果に基づいた将来の可能性を意味するので、たとえその発見が将来発展の小さなステップであったとしても、有効性があることは確かなので、論文の考察セクションで必ず記述するべきです。

2. 社会的研究結果がもたらす意義

社会的研究結果がもたらす意義とは、目に見えて社会に影響を及ぼす能力や将来性を意味します。研究結果がもたらす意義が人々の生活の質向上に役立つ明らかな研究分野の例として心理学があげられます。たとえば、仕事と生活のバランスに関する新時代運動と、その運動が精神状態へもたらす影響に関する研究、Covid-19パンデミックが始まって以来子供たちが抱えるストレスを埋め合わせる為に学校が実施した心理学的導入の研究、もしくは自宅勤務によって変わってきた家族のありかた(family dynamics)の研究をしたとして、自らの研究を超えた論理的かつ実践的な結論を基に、現実社会へ影響をもたらす将来の可能性を表現する事が出来ます。ただ、サンプルやデータを公表する際は、確かな理由と説明無くして一般的な結論に達しないように気をつけて下さい。

3.将来の研究の為の研究結果がもたらす意義

たとえあなたの研究によって社会変化や、新しい教育方針や、国民年金制度が見直されなかったとしても、将来の研究に重要な影響を及ぼすかもしれません。あなたの研究で使ったテクニックは過去で使われたものよりも更に正確で効果的だったりとか、既存の方法よりも安価だった為、世界中の研究室での実験が可能になったり。または病原だと思われている遺伝子が別の病気の原因であったと発見したため、研究や治療の新しいオプションの道が開かれたり。つまり、前記したように、研究勧告(必ずしも研究結果に基づいて研究勧告が出来るわけではないし、必ず研究勧告をしなければならないということもありません)と研究結果から得られる将来的な影響に繋がる研究結果がもたらす意義を混乱させない事が重要です。

論文内での研究結果がもたらす意義の位置

研究結果がもたらす意義は、研究結果を要約して文脈にまとめる考察セクション(discussion section)の一部であるべきです。この文脈では過去の研究をはじめ、研究結果が現実社会に影響を及ぼす可能性のある関連性を記述しましょう。Implication section(研究結果がもたらす意義のセクション)は存在しませんが、このような詳細を考察セクションのどの部分に記述するべきかという規則も存在しません。なぜなら、研究に関する情報の順序はmethod (研究方法) とresults section (研究結果)の箇所の構造次第、そして研究結果があなたの立てた仮説を証明する/証明しないによるからです。自らの研究結果が将来影響を及ぼすことを考察セクションに論理的に入れることが重要です。ただ、考察セクションの最後の結論においては、研究に関する情報の順序が関係します。先ず、研究と研究結果の簡潔な要約を述べ、(論理的、実用的、倫理的、社会的、科学技術的に) 研究結果がもたらす意義を証明して、それから(もしあれば)研究結果に基づいた具体的な研究勧告を記述します。考察セクションの執筆した時、研究結果がもたらす意義をあまり重視しないで仕上げてしまったというのであれば、投稿する前に今から訂正して、編集者や書評家にあなたの研究の適切性を有意に判断して貰いましょう。

ここで注意したいのは、「研究結果がもたらす意義を考察セクションに追記するように言われた」からといって、土壇場になって、突然思いついたように実用的なアイデアを突飛的に挿入しないように。また、どこから始めてよいのか分からない場合は、先ずは序説箇所(introduction section)に戻り、理論的根拠(rationale)と研究課題(research questions)を見直し、それらに対して研究結果がどう返答しているか、そして、その研究で見出した知識が誰に役立つかを自らに説いてみましょう。

英語編集サービスの利用を考慮しましょう。

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