2021年12月06日

研究論文の執筆でしがちな間違い: 前置詞

Wordvice

研究論文をより良くする為の正しい前置詞の使い方を学びましょう

Merriam Webster辞書によると、前置詞とは、“名詞や代名詞に付けて、大抵は副詞、形容詞、名詞の句を形成する役割を果たすもの”とされています。おそらくこの定義は何度も聞いたことがあるでしょう。でも、前置詞とは何かを明確に理解していない上、英文を執筆する際の前置詞を使う重要性と、前置詞の正しい使い方の必要性の理解が不足している方が多いと思います。

ここでは、文章の中での前置詞の機能と、間違いを避けた、正しく明確な英文の執筆方法の説明をします。更に、研究論文で前置詞を使ったよくある表現方法(フレーズ)や別の前置詞を使ったフレーズとの比較リストを作ってみました。

前置詞の役割

単語間や句の間で使われる前置詞は、誰か、もしくは何かが、他の誰か、もしくは何かと関係性があったり、誰か、もしくは何かが他の誰かに何かをしている時、もしくは物や人が繋がっている事を示します。不明確で間違った前置詞を使いたくない為、名詞代名詞のみを使って文章を構成した場合を想像してみて下さい。おそらくあなたが友人に伝える文は下記のようになることでしょう。

“I put the book the table noon”

その友人は、宿題の為にその本が必要で、その本を今から探さなければならないとしたら、どこに行けばその本が見つかるのか見当もつかないことでしょう。それは、あなたが伝えた文中ので使った様々な単語の関係を明らかにしなかったからです。その本はおそらくテーブルの上に置いたのでしょう(on the table)が、もしかしたらテーブルの下(under  the table)やテーブルの隣(next to the table)や、テーブルの裏(behind the table)や、引き出しのあるテーブルならテーブルの中(inside the table)に置いたかもしれません。

あなたの取った行動(本をどこかに置いた)と時間(正午)についても記述がなかったので、更に困惑を招きます。しかも動詞の”put”は過去形としても現在形としても使われるので、様々な解釈が出来ます。あなたが言おうとしているのは、本をテーブルの上か中か裏か下か内側に、正午前(before)、正午になる前(until)、もしくは正午まで(by)に置いたという事になるので、その友人はどこか他の場所に本を探しに行くでしょう。

もしくは別の可能性としては、あなたの文章の時制がいい加減で、正午頃本をそこに置く予定でいる、と言いたいのかもしれません。その場合は”I will”を使うべきでしたが、文章が既に不明瞭で未完成なので、その友人はあなたの文法力と英語力に疑惑を抱くでしょう。現在午後12:03であった場合は、その人は、間もなくあなたが到着するけれど、その前にコーヒーでも取って来ようか思うかもしれません。

上記の例は大袈裟で、その友人は文脈や他の要素から、おそらくあなたの言いたい事を理解してくれるだろうと思うもしれません。でも、ここで覚えておいて欲しいのは、英語は(多数のアジア諸国の言語と異なり)ローコンテクスト(low context)言語である事です。つまり、間違いのないコミュニケーションを行う為には、曖昧さを無くし、出来るだけ正確な詳細を入れて表現することが重要なのです。前置詞を紛らわしく困惑する文法の一つだと思わず、前置詞は複雑ではあるけれど、文中で正確に自分の言いたいことを表現するには、なくてはならない要素であると思うべきです。

前置詞のリストと一般的な例題のリストの詳細は文法の規則(grammar rules)からご覧頂けるので、ここでは同じ説明を避けます。その代わりここでは、英語を母国語をしない筆者が執筆した研究論文で最も一般的に間違える前置詞の使い方を見ながら、自分の執筆を確認、訂正してみて下さい。更に、下記で記述する正しい前置詞の使い方例を見ながら、卒業論文や研究論文の原稿を書く上で、正しく正確に前置詞を使いこなしてください。

目次

1.前置詞の使い方のチェック方法

2. 研究論文で最も見かける間違った前置詞の使い方

3.研究論文の執筆の正しい表現方法

4. 前置詞に関するQ&A

前置詞の使い方のチェック方法

方向、時間、間隔、場所、空間などに関連した、特定された前置詞を使うこともありますが、大抵の英文の前置詞の正しい使い方は、既に決められた表現フレーズの一部として使います。前置詞の正しい使い方の練習方法として、読書をする時、繰り返し出てくる前置詞を使った表現に気を配る事、その他にも、常に新しい単語や、あらゆる前置詞を含むフレーズを調べて、各自の意味を把握していきましょう(大変な作業だとは思いますが)。前置詞や前置詞の正しい使い方を調べるには、Merriam Webster online dictionaryCambridge Dictionary、そしてCorpus of Contemporary American Englishが役立ちます。

Google検索や、デジタルデータから年間最も出現する単語やフレーズの頻度を表にしたGoogleのNgram Viewerも役立ちます。どちらの検索ツールもフレーズの頻度が分かり、Ngram Viewerでは、同じ動詞と別の前置詞のコンビネーションの頻度まで表示されます。ただ、ここで忘れてはならないのは、どの前置詞と一緒に使うかで、その動詞の意味が異なってくるという事です。そして、”grateful for”の方が”grateful to”よりも頻度が少ないからといって、片方が正しくてもう片方が間違った使い方であるという訳ではなく、一般的に何かに対してgrateful forよりも誰かに対してgrateful toを使う頻度の方が多いという事です。

多数ある前置詞の中から正しい前置詞を選んだり、動詞との組み合わせによってフレーズの意味が異なるという点が、前置詞が学術文書の執筆において最も間違えを引き起こし得る根源であると言われる理由です。既定ルールがそれ程あるわけであないので、下記で前置詞の使い方で最も間違えの多い研究記事を見ながら、前置詞の正しい表現方法を学んでいきましょう。

研究論文で最も見かける間違った前置詞の使い方

時間(Time): 持続時間(durations)、間隔(intervals)、一区切り期間(periods)、タイムライン(timelines)は研究において重要な要素の一つである為、曖昧で不明瞭な表現を避ける為に、時間を表現する前置詞(at, on, in, for, during, since, before, after, between, within 等)を正しく使いこなす事が大切です。

NO The samples were incubated during 30 minutes.

YES The samples were incubated for 30 minutes. 

(そのサンプルは30分間培養された)

NO The patient had been treated by us since 2 years.

YES The patient had been treated by us for 2 years. 

(その患者は我々が2年間治療を続けた)

NO Participants were enrolled between January 2021 to May 2021.

YES Participants were enrolled between January 2021 and May 2021.

YES Participants were enrolled from January 2021 to May 2021.  

(参加者の登録は2021年1月から2021年5月まで行われた)

場所と方向(place and direction) :  実験や研究において、何かが起こったり置かれた場所の表現も重要な詳細で、場所や方向を示す前置詞(at, on, in, above, behind, below, close to, inside, over )の使い方を間違えると曖昧な研究表現になってしまいます。特に研究のMethod Sectionでの間違いは重大ですので、必ず前置詞を使ったフレーズに間違いが無いかを確認して下さい。

YES The green arrow was displayed among the red circles.

(緑色の矢印は赤色のマルの中に見られます)

YES The green arrow was displayed between the red circles.

(緑色の矢印は赤色のマルの間に見られます)

YES The green arrow was displayed above the red circles.

(緑色の矢印は赤色のマルの上に見られます)

YES The green arrow was displayed across the red circles.      

(緑色の矢印は赤色のマルのいたるところに見られます)

NO The patient presented to our hospital.

YES The patient presented at our hospital. 

(その患者は当院に来ました)

NO One additional variable was entered to the analysis.

YES One additional variable was entered into the analysis.

(もう一つの変異が分析に追加された)

比較(comparisons): 比較無くして、いかなる実験結果や研究結果の記述は出来ません。Result sectionでの困惑を防ぐために、than, to, as, among, with, fromのような前置詞を正しく使う事が大切です。

NO The students’ replies were similar than the office workers’ replies.

NO The students’ replies were similar as the office workers’ replies.

YES The students’ replies were similar to the office workers’ replies. 

(生徒たちの返答は、事務員たちの返答とほぼ同じだった)

NO The design of experiment 2 was the same to the design of experiment 2.

YES The design of experiment 2 was the same as the design of experiment 2.

(実験2のデザインは実験2のデザインと同じであった)

NO The mode of action of cilostazol is different with that of acetylsalicylic acid.

YES The mode of action of cilostazol is different from that of acetylsalicylic acid.

(シロスタゾールの作用機序はアセチルサリチル酸のものとは異なる)

NO Cardiac blood concentrations were higher as peripheral blood concentrations.

YES Cardiac blood concentrations were higher than peripheral blood concentrations.

(心臓血中濃度は末梢血中濃度よりも高かった)

研究論文の執筆の正しい表現方法

下記では、研究論文の中でよく見かける、困惑を招く前置詞を含む表現をリストしてみました。下記のリストを見て、あなたの研究論文の原稿に訂正すべき箇所があるか確認して下さい。

Introduction Section (序論箇所)

X is the leading cause of Y in most industrialized countries.

X is a common disease characterized by

X is a widely discussed issue in the field of

Recent developments in X have raised questions about

In recent years, increasing attention has been drawn to

The majority of earlier studies on X have focused on

Over the past 20 years, the incidence of Y has steadily increased.

In the last 20 years, a number of studies have reported on

Since the late 1980s, advancements in the field of Y have led to

We tested the effect of antibiotics on bacteria in the treatment of

Past research into X has been lacking, due to methodological restrictions.

A limited number of experiments have been reported on X so far.

Despite its long use in clinical research, method X still has serious limitations.

The main purpose of our study was to expand our understanding of

Methods Section(手法箇所)

The patient presented at our hospital with dizziness.

The patient suffered from gastrointestinal bleeding.

The patient complained of recurring headaches.

Patients underwent surgery on the first day of hospital admission.

Patients with no complaints during the past 2 weeks were considered pain-free.

Participants who reported not having a smartphone were excluded from the study.

A total of 45 participants who provided consent were included in the analyses.

To prevent participants from moving, we placed a cushion under their head.

In order to detect motion artefacts, the data were analyzed with Y software.

Samples were collected over a period of…

Stimuli were presented at intervals of…

Results & Discussion Sections (結論と論考箇所)

Our comparison of different fish species revealed differences in food preference.

The majority of participants responded to all questionnaire items.

Group 1 showed a bigger effect than group 2.

Nine of the 20 mice died of respiration arrest.

Our analyses show that there are problems associated with the use of…

We tested the correlation between X and Y and found that…

ANOVA was used to assess the effect of X on Y.

Figure 3 shows the differences between the treatment and control groups.

We found no significant reduction in X compared to baseline concentrations.

Our findings provide crucial insights into

Our findings point to an important role of X in

The results of the current study are not consistent with earlier findings.

Our findings differ from those of earlier studies.

Our results are in line with those of earlier studies.

The differences between our study and that by Smith et a. can be explained by

A possible explanation for the discrepancy in results could be that…

The differences could be attributed to

Our results show the effectiveness of X as a cure for Y in elderly patients.

Our findings highlight the role of X in the treatment of Y.

Further studies focusing on X are needed to clarify the role of

前置詞に関するQA

文章を前置詞で終わらせてもいいですか?

はい、問題ありません。文の最後に前置詞を置いてはいけないという根拠の無い説がありますが、その説は間違いですし、前置詞で文を終わらせないと、非常に不自然な表現の文になってしまう事があります。

YES Where did he come from?

“Where did he come?”では不十分ですし、”from where did he come?”では昔風の表現になってしまうので、このような場合は前置詞を最後に置くこと適切です。

前置詞を省いてもいいですか?

単に前置詞を省く事は出来ませんが、前置詞が必要ないように文のフレーズを変える事は出来ます。こうする事で言葉数を減らして率直な表現が出来て、全体的により良い執筆になるかもしれません。前置詞を使わないフレーズ(how to eliminate prepositional phrases)の記事を参考にしてみて下さい。

前置詞の確認をしましたが、語彙(ボキャブラリー)の確認はどうすればいいですか?

類似語と混同しているのではないかとお思いですか?それなら、こちらの記事(article)をご覧ください。研究論文の執筆において、効果的なフレーズや説得力のある動詞の例が記載されています。Wordvice.aiで無料のオンライン英文校正/編集を受けてみて下さい。

研究論文をより良くする為の正しい前置詞の使い方を学びましょう

Merriam Webster辞書によると、前置詞とは、“名詞や代名詞に付けて、大抵は副詞、形容詞、名詞の句を形成する役割を果たすもの”とされています。おそらくこの定義は何度も聞いたことがあるでしょう。でも、前置詞とは何かを明確に理解していない上、英文を執筆する際の前置詞を使う重要性と、前置詞の正しい使い方の必要性の理解が不足している方が多いと思います。

ここでは、文章の中での前置詞の機能と、間違いを避けた、正しく明確な英文の執筆方法の説明をします。更に、研究論文で前置詞を使ったよくある表現方法(フレーズ)や別の前置詞を使ったフレーズとの比較リストを作ってみました。

前置詞の役割

単語間や句の間で使われる前置詞は、誰か、もしくは何かが、他の誰か、もしくは何かと関係性があったり、誰か、もしくは何かが他の誰かに何かをしている時、もしくは物や人が繋がっている事を示します。不明確で間違った前置詞を使いたくない為、名詞代名詞のみを使って文章を構成した場合を想像してみて下さい。おそらくあなたが友人に伝える文は下記のようになることでしょう。

“I put the book the table noon”

その友人は、宿題の為にその本が必要で、その本を今から探さなければならないとしたら、どこに行けばその本が見つかるのか見当もつかないことでしょう。それは、あなたが伝えた文中ので使った様々な単語の関係を明らかにしなかったからです。その本はおそらくテーブルの上に置いたのでしょう(on the table)が、もしかしたらテーブルの下(under  the table)やテーブルの隣(next to the table)や、テーブルの裏(behind the table)や、引き出しのあるテーブルならテーブルの中(inside the table)に置いたかもしれません。

あなたの取った行動(本をどこかに置いた)と時間(正午)についても記述がなかったので、更に困惑を招きます。しかも動詞の”put”は過去形としても現在形としても使われるので、様々な解釈が出来ます。あなたが言おうとしているのは、本をテーブルの上か中か裏か下か内側に、正午前(before)、正午になる前(until)、もしくは正午まで(by)に置いたという事になるので、その友人はどこか他の場所に本を探しに行くでしょう。

もしくは別の可能性としては、あなたの文章の時制がいい加減で、正午頃本をそこに置く予定でいる、と言いたいのかもしれません。その場合は”I will”を使うべきでしたが、文章が既に不明瞭で未完成なので、その友人はあなたの文法力と英語力に疑惑を抱くでしょう。現在午後12:03であった場合は、その人は、間もなくあなたが到着するけれど、その前にコーヒーでも取って来ようか思うかもしれません。

上記の例は大袈裟で、その友人は文脈や他の要素から、おそらくあなたの言いたい事を理解してくれるだろうと思うもしれません。でも、ここで覚えておいて欲しいのは、英語は(多数のアジア諸国の言語と異なり)ローコンテクスト(low context)言語である事です。つまり、間違いのないコミュニケーションを行う為には、曖昧さを無くし、出来るだけ正確な詳細を入れて表現することが重要なのです。前置詞を紛らわしく困惑する文法の一つだと思わず、前置詞は複雑ではあるけれど、文中で正確に自分の言いたいことを表現するには、なくてはならない要素であると思うべきです。

前置詞のリストと一般的な例題のリストの詳細は文法の規則(grammar rules)からご覧頂けるので、ここでは同じ説明を避けます。その代わりここでは、英語を母国語をしない筆者が執筆した研究論文で最も一般的に間違える前置詞の使い方を見ながら、自分の執筆を確認、訂正してみて下さい。更に、下記で記述する正しい前置詞の使い方例を見ながら、卒業論文や研究論文の原稿を書く上で、正しく正確に前置詞を使いこなしてください。

目次

1.前置詞の使い方のチェック方法

2. 研究論文で最も見かける間違った前置詞の使い方

3.研究論文の執筆の正しい表現方法

4. 前置詞に関するQ&A

前置詞の使い方のチェック方法

方向、時間、間隔、場所、空間などに関連した、特定された前置詞を使うこともありますが、大抵の英文の前置詞の正しい使い方は、既に決められた表現フレーズの一部として使います。前置詞の正しい使い方の練習方法として、読書をする時、繰り返し出てくる前置詞を使った表現に気を配る事、その他にも、常に新しい単語や、あらゆる前置詞を含むフレーズを調べて、各自の意味を把握していきましょう(大変な作業だとは思いますが)。前置詞や前置詞の正しい使い方を調べるには、Merriam Webster online dictionaryCambridge Dictionary、そしてCorpus of Contemporary American Englishが役立ちます。

Google検索や、デジタルデータから年間最も出現する単語やフレーズの頻度を表にしたGoogleのNgram Viewerも役立ちます。どちらの検索ツールもフレーズの頻度が分かり、Ngram Viewerでは、同じ動詞と別の前置詞のコンビネーションの頻度まで表示されます。ただ、ここで忘れてはならないのは、どの前置詞と一緒に使うかで、その動詞の意味が異なってくるという事です。そして、”grateful for”の方が”grateful to”よりも頻度が少ないからといって、片方が正しくてもう片方が間違った使い方であるという訳ではなく、一般的に何かに対してgrateful forよりも誰かに対してgrateful toを使う頻度の方が多いという事です。

多数ある前置詞の中から正しい前置詞を選んだり、動詞との組み合わせによってフレーズの意味が異なるという点が、前置詞が学術文書の執筆において最も間違えを引き起こし得る根源であると言われる理由です。既定ルールがそれ程あるわけであないので、下記で前置詞の使い方で最も間違えの多い研究記事を見ながら、前置詞の正しい表現方法を学んでいきましょう。

研究論文で最も見かける間違った前置詞の使い方

時間(Time): 持続時間(durations)、間隔(intervals)、一区切り期間(periods)、タイムライン(timelines)は研究において重要な要素の一つである為、曖昧で不明瞭な表現を避ける為に、時間を表現する前置詞(at, on, in, for, during, since, before, after, between, within 等)を正しく使いこなす事が大切です。

NO The samples were incubated during 30 minutes.

YES The samples were incubated for 30 minutes. 

(そのサンプルは30分間培養された)

NO The patient had been treated by us since 2 years.

YES The patient had been treated by us for 2 years. 

(その患者は我々が2年間治療を続けた)

NO Participants were enrolled between January 2021 to May 2021.

YES Participants were enrolled between January 2021 and May 2021.

YES Participants were enrolled from January 2021 to May 2021.  

(参加者の登録は2021年1月から2021年5月まで行われた)

場所と方向(place and direction) :  実験や研究において、何かが起こったり置かれた場所の表現も重要な詳細で、場所や方向を示す前置詞(at, on, in, above, behind, below, close to, inside, over 等)の使い方を間違えると曖昧な研究表現になってしまいます。特に研究のMethod Sectionでの間違いは重大ですので、必ず前置詞を使ったフレーズに間違いが無いかを確認して下さい。

YES The green arrow was displayed among the red circles.

(緑色の矢印は赤色のマルの中に見られます)

YES The green arrow was displayed between the red circles.

(緑色の矢印は赤色のマルの間に見られます)

YES The green arrow was displayed above the red circles.

(緑色の矢印は赤色のマルの上に見られます)

YES The green arrow was displayed across the red circles.      

(緑色の矢印は赤色のマルのいたるところに見られます)

NO The patient presented to our hospital.

YES The patient presented at our hospital. 

(その患者は当院に来ました)

NO One additional variable was entered to the analysis.

YES One additional variable was entered into the analysis.

(もう一つの変異が分析に追加された)

比較(comparisons): 比較無くして、いかなる実験結果や研究結果の記述は出来ません。Result sectionでの困惑を防ぐために、than, to, as, among, with, fromのような前置詞を正しく使う事が大切です。

NO The students’ replies were similar than the office workers’ replies.

NO The students’ replies were similar as the office workers’ replies.

YES The students’ replies were similar to the office workers’ replies. 

(生徒たちの返答は、事務員たちの返答とほぼ同じだった)

NO The design of experiment 2 was the same to the design of experiment 2.

YES The design of experiment 2 was the same as the design of experiment 2.

(実験2のデザインは実験2のデザインと同じであった)

NO The mode of action of cilostazol is different with that of acetylsalicylic acid.

YES The mode of action of cilostazol is different from that of acetylsalicylic acid.

(シロスタゾールの作用機序はアセチルサリチル酸のものとは異なる)

NO Cardiac blood concentrations were higher as peripheral blood concentrations.

YES Cardiac blood concentrations were higher than peripheral blood concentrations.

(心臓血中濃度は末梢血中濃度よりも高かった)

研究論文の執筆の正しい表現方法

下記では、研究論文の中でよく見かける、困惑を招く前置詞を含む表現をリストしてみました。下記のリストを見て、あなたの研究論文の原稿に訂正すべき箇所があるか確認して下さい。

Introduction Section (序論箇所)

X is the leading cause of Y in most industrialized countries.

X is a common disease characterized by

X is a widely discussed issue in the field of

Recent developments in X have raised questions about

In recent years, increasing attention has been drawn to

The majority of earlier studies on X have focused on

Over the past 20 years, the incidence of Y has steadily increased.

In the last 20 years, a number of studies have reported on

Since the late 1980s, advancements in the field of Y have led to

We tested the effect of antibiotics on bacteria in the treatment of

Past research into X has been lacking, due to methodological restrictions.

A limited number of experiments have been reported on X so far.

Despite its long use in clinical research, method X still has serious limitations.

The main purpose of our study was to expand our understanding of

Methods Section(手法箇所)

The patient presented at our hospital with dizziness.

The patient suffered from gastrointestinal bleeding.

The patient complained of recurring headaches.

Patients underwent surgery on the first day of hospital admission.

Patients with no complaints during the past 2 weeks were considered pain-free.

Participants who reported not having a smartphone were excluded from the study.

A total of 45 participants who provided consent were included in the analyses.

To prevent participants from moving, we placed a cushion under their head.

In order to detect motion artefacts, the data were analyzed with Y software.

Samples were collected over a period of…

Stimuli were presented at intervals of…

Results & Discussion Sections (結論と論考箇所)

Our comparison of different fish species revealed differences in food preference.

The majority of participants responded to all questionnaire items.

Group 1 showed a bigger effect than group 2.

Nine of the 20 mice died of respiration arrest.

Our analyses show that there are problems associated with the use of…

We tested the correlation between X and Y and found that…

ANOVA was used to assess the effect of X on Y.

Figure 3 shows the differences between the treatment and control groups.

We found no significant reduction in X compared to baseline concentrations.

Our findings provide crucial insights into

Our findings point to an important role of X in

The results of the current study are not consistent with earlier findings.

Our findings differ from those of earlier studies.

Our results are in line with those of earlier studies.

The differences between our study and that by Smith et a. can be explained by

A possible explanation for the discrepancy in results could be that…

The differences could be attributed to

Our results show the effectiveness of X as a cure for Y in elderly patients.

Our findings highlight the role of X in the treatment of Y.

Further studies focusing on X are needed to clarify the role of

前置詞に関するQA

文章を前置詞で終わらせてもいいですか?

はい、問題ありません。文の最後に前置詞を置いてはいけないという根拠の無い説がありますが、その説は間違いですし、前置詞で文を終わらせないと、非常に不自然な表現の文になってしまう事があります。

YES Where did he come from?

“Where did he come?”では不十分ですし、”from where did he come?”では昔風の表現になってしまうので、このような場合は前置詞を最後に置くこと適切です。

前置詞を省いてもいいですか?

単に前置詞を省く事は出来ませんが、前置詞が必要ないように文のフレーズを変える事は出来ます。こうする事で言葉数を減らして率直な表現が出来て、全体的により良い執筆になるかもしれません。前置詞を使わないフレーズ(how to eliminate prepositional phrases)の記事を参考にしてみて下さい。

前置詞の確認をしましたが、語彙(ボキャブラリー)の確認はどうすればいいですか?

類似語と混同しているのではないかとお思いですか?それなら、こちらの記事(article)をご覧ください。研究論文の執筆において、効果的なフレーズや説得力のある動詞の例が記載されています。Wordvice.aiで無料のオンライン英文校正/編集を受けてみて下さい。

学術論文英文校正サービス