2023年10月18日

英語論文の文献レビュー(Literature Review)とは

Wordvice

こんにちは! 英文校正ワードバイスです。

どんなに良い研究アイデアが思い浮かんだとしても、過去に全く同様の先行研究が発表されていたならば、あなたの論文自体が無意味なものとなってしまいます。科学論文には常に何らかの新規性(分野における新しい知識・視野を提供すること)が求められるということは、既に他の記事でも強調してきましたが、その分野において今までにない新しい知識を提供するためには、既に積み重なった知識を十分に分析することで、どこに埋めるべき知識の空白が存在しているのかを認識しなければなりません。そして、ただ問題意識を持つだけでなく、それを論文の読者に説得力のある形で提示することが研究者には求められます。

そのためのセクションこそが先行研究レビュー(literature review)と言えるでしょう。

本日はそのような論文で重要な位置を占めるLiterature Reviewの書き方について一緒に確認してみましょう。

literature review

文献レビュー(Literature review)とは?

文献検討セクションは、論文のテーマに関連する過去の研究や理論・資料・文献を要約し、それに対する批判的分析を述べるためのセクションです。文献検討では、単なる「説明」ではなく「分析」に焦点を当てることを常に意識しましょう。
文献を探すときは、研究分野に関わる広範囲の資料から始めて、徐々に自分の研究で扱う核心的なテーマに関わる文献へと具体化していきます。

資料集めに役立つサイトはこちら

文献レビューに書くべき内容

  • 引用する資料における研究テーマと理論の概要
  • その文献を引用する理由
  • 文献の位置づけ (論文で述べようする主張を支持する結果か?または反する結果か?あるいは完全に異なる論旨か?)
  • 扱う文献同士の類似点・相違点の説明
  • どの文献が自身の主張に最も近いか。また、どの文献が自分が主張しようとする意見を最も支持しているか。また、その文献や研究結果は、同分野においてどれだけの影響力を持っているか。

先行研究レビューの書き方

研究アイデアが浮かんだら、まずは自分の研究テーマに関わる先行研究と分野での最新の研究動向を取り逃しなく把握し、そのことを先行研究レビューセクションで読者に効果的に示す必要があります。先行研究レビューを書く際には、以下のような手順を意識してみましょう。

  • 自分の研究ではどこに重点を置くか決める
  1. 文献を探し、分析する
    様々なデータベースを駆使して網羅的に資料を探したら、必要に合わせてそこで使用されている用語の定義を確認し、理解した上で論文で引用したい部分を選ぶ。同時に、その文献あるいは論旨の強みと弱点、研究トレンドとの合致やパターン、引用する文献同士の関係を確認する。
  2. 文献レビューの構想メモを作成
    先行研究を網羅的に読むことによって、これまでの先行研究での結論にパターンを見つけ、自身の論文で使用する理論的枠組みを構想する。
  3. 実際に書き始める
    文献からの引用を羅列しただけの、まとまりのない内容にならないように注意する。全体として一つの論理的な筋書に沿って展開されるように意識する。具体的に以下のような点に気を付ける。
    • 論文でどのような主張がしたいのか、下調べの段階ではっきり決めておく
    • 研究テーマの重要性を示すために有意義な文献だけを引用する
    • 各文献の内容同士がどのような点で類似・相違しているのか説明する
    • 先行研究を分析した上で、どのようなことを結論として言えるのか記述する
  4. 修正する
    執筆した分は声に出して読んでみる。自分の見解が明確に示されているか、初期段階で確認する。接続語などを適切に使いながら、全体の論調が自然で一貫した流れを持っているか確認する。

文法・スペル・記号符号の正確さ、論理の流れについては必ずネイティブチェックを受けること。

文献レビューを作成する上でのコツ

文献レビューセクションは分量も多く、論文の土台となる非常に重要なパートを占めるので、効率的な作成ができるよう体系的に取り掛かるのが重要です。

  1. 選んだ資料を読んだ後、1、2文程度で「この文献が自分の研究テーマとどう関連するか」についてメモをする。(文章の要約ではないので注意)
  2. 1段落でも1ページでもいいので、毎日目標を設定してコンスタントに書き続ける。
  3. なぜその文献を読んでいるのか自覚する。やみくもに読む前に、選んだ文献が自分の研究にどのように役立つかということを常に念頭に置き、該当する情報だけを文献から引き出す。
  4. 文献を探すときには検索語をなるべく狭める。一般的な単語にせず、本当に必要な文献がヒットするようにキーワードを工夫してみる。

以上のポイントを踏まえ、効果的で読みやすい文献レビューに仕上げましょう。

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