2023年08月31日

研究論文の執筆において単語の選択でよくある間違い

Wordvice

英語を母国語をしない筆者が執筆した研究論文における単語の使い方のエラーは、他の種類のエラーに比べると最も多いのです。学術文の最大の目的は情報を明確に伝える事であり、正しく効果的な単語を使用する事は絶対に必要です。

言葉の選択における幾つかの問題点として、英語学は同音異義語(homophones )と呼ばれる発音が同じでも意味が異なる単語や、スペルが非常に似ている(homonyms)けれど意味が異なる単語が多いことです。更に、発音もスペルも異なるのに、同じ意味を持つ単語もあります。そして、英語が母国語ではない筆者が自身の母国語で思考したものを英語の表現に翻訳する時に起こるエラーもあります。その上、時には、間違って使った言葉が、実は綴りを間違えた正しい単語だったりという場合もあります。ここでは、英語を母国語としない筆者が執筆した学術文で頻繁に起こる単語の間違いの例をリストにして、このようなエラーを回避するコツを提供します。

目次

  1. 非常に似た発音でも異なる意味の単語
  2. 似た意味を持つけれど異なる意味合いの単語
  3. 正しい語幹と間違った接頭語/接尾語の使い方
  4. 翻訳の間違いと連語関係
  5. 意味を変えてしまうスペルミス

非常に似た発音でも異なる意味の単語

異なる意味を持ちながら困惑してしまう似通った言葉は、単語を選択する上で最も起こし易いエラーであり、英語がネイティブな人でも間違えてしまう事があります。英語を話す上では、明らかな発音の違いが無い為、やや言い間違えた程度に聞こえるものです。しかしながら如何なる学術文においては、あなたの伝えたい事を読者が明白に理解する為にも、このようなエラーは避けましょう。

1.Affect対effect/affective対effective
名詞形のaffect は強い感覚や感情の経験を記述しますが、動詞形のaffectは強い影響を与える事を意味します。その反対に、名詞形のeffectは何かの結果、動詞形effectは何かを起こす原因、もしくは結果をもたらす意味があります。簡単に言うと、何かが何かに影響を与える(affect)と、一定の結果(effect)に繋がるという事です。

NO  Sleep deprivation clearly effected the patients’ overall well-being.
YES  Sleep deprivation clearly affected the patients’ overall well-being.
NO  The affect of exercise on depression is not clearly understood.
YES  The effect of exercise on depression is not clearly understood.

2.  Then 対 than
Thanは比較を表す時の接続詞や前置詞です。Thenは「その時」とか「その後」という意味の副詞です。

NO  The effect of exercise on depression is less obvious then that of medication.
YES  The effect of exercise on depression is less obvious than that of medication.
YES  Patients were debriefed, and then asked to fill in a questionnaire.

3.Principal 対 principle
Principalの形容詞形は「主な」とか「最も重要な」という意味、名詞形は「校長先生」という意味です。一方、Principleは「一般原理」や「法律」や「システムの基盤」という意味です。

NO  Our approach is based on the scientific principals of behavioral analysis.
YES  Our approach is based on the scientific principles of behavioral analysis.
YES  The principal idea of our approach is that early socialization affects behavior.

4. Advice 対 advise
To advise(アドバイスをする事)はgive advice(アドバイスする)と似ていますが、一番大きな違いは一方は名詞形、もう一方は動詞形という事です。ですのでどちらを使っても意味が変わるという事はありませんが、文法上では間違いと見なされます。

NO  Patients should be adviced against smoking after cancer treatment
YES  Patients should be advised against smoking after cancer treatment.
YES  Our advice to patients after cancer treatment is to stop smoking.

5. Accept 対 except
Acceptとexceptは発音がほぼ同じですが、意味は全く異なります。Acceptは「同意する」とか「受諾する」という意味ですが、except の動詞形と前置詞は「含めない」という意味です。

NO   Subjects were called back after 2 weeks, accept for those who had dropped out.
YES   Subjects were called back after 2 weeks, except for those who had dropped out.
YES  Smoking is widely accepted as a major risk factor for cardiovascular disease

6.Alternate 対 alternative
Alternativeは追加や異なるオプションや選択という意味ですが、alternatingは選択、状況、行動を切り替えるという意味です。

NO   TMS has emerged as an alternate treatment option for anxiety.
YES TMS has emerged as an alternative treatment option for anxiety.
YES  We explored the role of alternate care sites in responsiveness to COVID-19

7.Adapt 対 adopt
To adoptとは何かを自分のものにすることを意味します。To adaptとは既存のアイデアやアプローチを自分に合うように変える事を意味します。この2つの単語は交互に使用されることがしばしばありますが、発音がほぼ同じの為、あなたが意図する意味を伝える為には正しい方を使用するように注意を払って下さい。

YES   Many recent studies have adopted a similar cross-sectional design.
YES  We adapted the usual clinical design to better reflect patient characteristics.

8.Access 対 assess
To accessは何かに入る、近づく、捉える、という意味です。To assessは査定する、決定する、審理する、という意味です。

NO   The aim of this study was to access the clinical outcomes of the seton procedure.
YES   The aim of this study was to assess the clinical outcomes of the seton procedure.
YES  Author KA was granted access to patient data by the hospital ethics committee.

研究論文の執筆において単語の選択でよくある間違い

似た意味を持つけれど異なる意味合いの単語

1.Infer 対 imply
Implyingとは直接表現したり言ったりしないけれど暗示するという意味です。一方Inferringは、明らかな根拠、自己億説、もしくはデータや他人の暗示に基づいて結論に達する、という意味です。

YES   These findings imply that neuropeptides play a role in feeding behavior.
YES  Intuitive responders infer that everybody responds as they do.

2. Among 対 between
英語のネイティブでもネイティブでなくても、多くの筆者がamongとbetweenの正しい使い方に困惑するようです。何故かというと、この二つの単語の使い方には二つの本質的な定義があるからです。一つ目の定義は一般的によく知られて本質的かつ単純化されたもの、二つ目の定義はそれほど知られていませんが相違を正確に説明しています。定義1は、betweenは2つの対象物を比較する時に使用、amongはグループや2つ以上の対象物を比較する時に使用すると表しています。

この定義に従ってどちらかの単語を選択をすると大抵は間違えませんが、不自然で“過度修正”の言い回しになってしまう事があります。そこで定義2を適用してみましょう。定義2では、betweenは対象物が分離されて別個である限り、対象物の数が幾つであろうと使用可能であるとしています。例えば、朝食には、卵とシリアルのどちらか、もしくは、卵、シリアル、トーストのどれかを選ぶのにbetweenが使えます。Amongは対象物が人か物であり、個人ではなくグループとして捉える時に使用します。例えば、イタリア、デンマーク(2か国を別個として比較しています)、もしくはEUメンバー国(グループとして見なします)の交渉は成立しないかもしれない。友人間 (from person to person)で秘密は言い合うけれど、仲間となら(among your friends)心を許せる。

YES   MoO3 showed the best performance among the investigated HDO catalysts.
YES  There was no behavioral difference between the test and the control group.

3. Amount 対 number
この2つの単語は意味が非常に似ていますが、使い方の区別は英語の可算名詞か不可算名詞によります。数(number)は可算名詞で、量(amount)は不可算名詞です。

NO   The number of literatures included in this meta-analysis is enormous.
YES   The amount of literature included in this meta-analysis is enormous.
YES  The number of earlier studies on this topic is low.

正しい語幹と間違った接頭語/接尾語の使い方

語根に接頭語や接尾語を付ける事によって形容詞(例えばhappy)を名詞(happiness)に変えたり、副詞(happily)を逆の意味(unhappy)に変えたり、動詞の時制を変える事が出来ます。接頭語と接尾語の難点は、あらゆる単語に付ける事が出来るわけではない上、毎回同じ効果が出る訳ではないことです。その為、存在しない単語を作ってしまったり、間違った接頭語や接尾語を使用して意図する意味を変えてしまったりしないように気をつけましょう。

NO   Changes were determinated using a computer-controlled spectrophotometer.
YES Changes were determined using a computer-controlled spectrophotometer.

NO   Protein instableness is a common issue in protein pharmaceuticals.
YES Protein instability is a common issue in protein pharmaceuticals.
NO   We assessed sources of diagnostic inaccurateness of cardiac markers.
YES We assessed sources of diagnostic inaccuracy of cardiac markers.

翻訳の間違いと連語関係

母国語で思考したフレーズを“自然”に聞こえるからと思い込み、そのまま英語に直訳するのが、ネイティブではない筆者の執筆が間違っている上、ぎこちない表現になる最大の理由です。このような間違いを自らが理解して訂正するのは、単に二つの動詞の相違を理解するよりも困難かとは思います。でも、こうしたエラーを回避できる方法があるのです。

例えば、Google Scholarthe Merriam-Webster online dictionary を利用してエラーをチェックしたり、当社のcommon expressions in research papers (研究論文によく使う表現)the most useful verbs for the different parts of a paper (論文の箇所別に最も活用できる動詞)を利用して自己編集をすることで、遥かに力強い論文に仕上げる事が出来ます。同時に、英文執筆において間違え易い前置詞の使い方も学ぶ事が出来ます。どの部分の表現に訂正が必要であるかすら分からない場合は、下記の、よくある翻訳ミスや表現の不自然さを参照にして下さい。

NO Patients underwent dizziness and worsening symptoms.
YES   Patients experienced dizziness and reported worsening symptoms.
YES Patients presented with dizziness and showed worsening symptoms over time.
NO   Patients underwent a questionnaire after the experiment.
YES   Patients filled in a questionnaire after the experiment.
NO   Patients succeeded complete remission.
YES   Patients achieved complete remission.
NO The difference between groups was obtained with one-way ANOVA.
YES   The difference between groups was assessed with one-way ANOVA.

誰が何をした、表現した、経験したのかを記述し、そして主語と動詞が常に調和する事が重要です。

NO   Patients performed liver biopsy.
YES   Patients underwent liver biopsy.
YES   Two experienced surgeons performed liver biopsy.

人と物の違いにも注意を配りましょう。それは、どちかとしか調和しない動詞があるからです。

NO   The study was not able to analyze age differences, due to its design.
YES   We were not able to analyze age differences, due to the design of our study.

NO   PET alone was not able to diagnose our patients.
YES   We were not able to diagnose our patients using PET alone.

意味を変えてしまうスペルミス

多言語と英語の違いは、英語には音素(phonemic)から起こる間違いがあるという事です。例えば、英語でアルファベットの”r”と”l”を間違えて綴った場合、気づかないうちにスペルミスをしている事になります。そして、それをスペルの間違いとしてスペルチェッカーが指摘してくれれば問題ありませんが、時々不正確なスペルであっても、他の既存の単語と見なして、スペルチェッカーでスルーされる事があります。このような間違いは注意深い校正でしか回避する事はできません。

NO   Collect doses were determined by a series of tests.
YES  Correct doses were determined by a series of tests.

NO   We did not arrow participants to leave the room between sessions.
YES  We did not allow participants to leave the room between sessions.

あなたの原稿をジャーナルに投稿する前に、プロの英文校正/編集(professional editing)を受けて言語やスタイルの問題を改善しましょう。そしてwordvice.aiのWordvice AI無料英語文法チェッカーをご利用下さい。

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