セミコロン(;)
論理的な関連性を共有している2つの独立節をつなげる際、最も頻繁に使われる句読点がセミコロン(Semicolons)です。セミコロンは、このように2つの文節の関連性を強調する目的がある点がピリオドと違います。また、羅列するリスト項目の長さや、フレーズで構成されたリスト項目の文中にも句読点が使われているなどの理由で読み手を混乱させる可能性があるケースでも、セミコロンが使えます。このガイドでは、英語で文章を書く際、いつ、どのようにセミコロンを使うのかをわかり易く説明します。
目次
- 1.文節の結合
- 2.事物リストの羅列
- 3.よくあるセミコロンの間違った使い方
セミコロンが使えるケース
Incorrect | Correct | |
---|---|---|
2つの独立節をつなげるとき |
The dress is for my mother, who is sitting over there. |
The dress is for my mother; who is sitting over there. |
長めのフレーズで構成された事物リストを羅列するとき |
I am taking my mother to the beach; a French restaurant; and a dessert café. |
I am taking my mother to the beach to see the sunset; a French restaurant, which my sister-in-law recommended; and a dessert café to drink coffee and eat canelés. |
文節の結合
セミコロンが最も一般的に使われるのは2つの独立節をつなげるときです。ピリオドではなくセミコロンを使うと、2つの文節が思考的に密接な関連性を持つことが強調できます。
「独立節」と「従属節」
独立節とは、完結したセンテンスとして機能できる文節です。
- The dress is green with white flowers.
- Audrey bought the dress for eighty-nine dollars.
- The shop is closing soon.
それに対して、従属節は完結したセンテンスとして機能できません。
- which has white flowers
- even though it was expensive
- because it is late
2つの独立節をセミコロンでつなげる
以下に、2つの独立節があります。
- (a)
- It is almost 10 pm.
- (b)
- The shops will be closing soon.
- (a) + (b) =
- It is almost 10 pm; the shops will be closing soon.
ここでは、文節(a)と文節(b)はどちらも独立節で、また両者は論理的に関連しています。この2つの文節を結合した場合、「もうすぐ午後10時になるので、どの店も間もなく閉店します」というニュアンスが伝達できます。
論理的な関連性のない2つの独立節をセミコロンでつなげるのは適切ではありません。
- (a)
- The shops will be closing soon.
- (b)
- I had fried chicken for dinner.
ここでの文節(a)と文節(b)には密接な関連性が見られないため、単にピリオドで区切っておくのが一番適切でしょう。
事物リストの羅列
羅列する事物が長い、複雑、またはリストするフレーズ内にも句読点が含まれている等の場合でもセミコロンが使えます。
- Example
- Lana is driving to LA to see her niece, who loves Barbie dolls; her best friend, who works at a music production company; and a former co-worker, who has recently started a new business.
「her niece, who loves Barbie dolls,」や 「her best friend, who works at a music production company,」および 「a former co-worker, who has recently started a new business」はそれぞれが長めで、フレーズ内に句読点も含まれています。そのため、カンマで区切った場合、読み手を混乱させてしまう可能性があります。
「カンマ」と「セミコロン」
羅列するリストの事物が単語1つ、または短めのシンプルなフレーズの場合にはカンマで区切った方が良いでしょう。
- Example
- For her birthday, Lana received a gold locket, a red scarf, and an iPad.
ただし、リストする事物が長くなったり、より複雑になった(例:リストする事物が独立節、または文節内に他の句読点が含まれる)場合にはセミコロンを使ってリスト事物を区切る方が読みやすくなります。
- Example
- For her birthday, Lana received a gold locket with an ornate inlay; a red scarf, which she wore immediately; and a first-generation iPad to play her music.
よくあるセミコロンの間違った使い方
セミコロンに不慣れな方が多いため、しばしば間違った使い方がされています。セミコロンは、2つの独立節を区切るか、または複雑な構成のリストを区切るときだけに使用すべき点に注意してください。
独立節と従属節をつなげる
まず第一に、セミコロンとカンマを混同しないよう気を付けましょう。カンマは、独立節を従属節に結合するときによく使いますが、セミコロンを同様な目的で使うことはできません。
- Incorrect
- Lana bought the dress; which is green with white flowers.
- Correct
- Lana bought the dress, which is green with white flowers.
文頭の前置きフレーズと主文を区切る
文頭の前置きフレーズと、本体となるセンテンスをセミコロンで区切るのも、もう一つのよくあるセミコロンの間違った使い方です。文頭の前置き単語やフレーズと本体のセンテンスは区切る必要がありますが、その際にはセミコロンではなく、カンマを使います。
- Incorrect
- On Wednesday evenings; Lana babysits her two-year-old nephew.
- Correct
- On Wednesday evenings, Lana babysits her two-year-old nephew.