エンダッシュ (–)とエムダッシュ(—)の使い方

ダッシュには以下の2種類があります。
1 エンダッシュ(–) 範囲、関係を示す。
2 エムダッシュ(—) 分離、区切りを表す。
この2つのダッシュの使い方を混同している人はかなりの数いますが、上記2種類のダッシュは使用目的が異なります。まず、エンダッシュ (–)は範囲の表示に使われることが多い一方、エムダッシュ(—)は1つのセンテンスの中を区切るために使われます。

エンダッシュと数字・データ範囲

エンダッシュは何かの範囲を表示する際に使えます。範囲を表すとき「to」を使いますが、エンダッシュもそれと同様の役割を果たします。

Example
Please solve problems 1-14 at the end of chapter 3.
Example
The school is accepting applications for the 2021-2022 academic year.
Example
She has a 12pm-12am shift.

ただし、「~から~まで」(“from… to…”)の構文内で使う「to」の代わりとしてエンダッシュを使うことはできませんので注意してください。

Incorrect
She worked on her book from 2003-2013.
Correct
She worked on her book from 2003 to 2013.

センテンス内を区切るエムダッシュ

エムダッシュはセンテンス内を区切る際に使われます。この説明だけではまだ漠然としていますが、わかり易く言えば、エムダッシュはカンマ、括弧、セミコロン、コロンといった句読点の代わりとして使えるという意味です。

エムダッシュは、挿入節を区切る際にカンマや括弧の代わりになります。

カンマで区切る
The evening sky, colored pink by the setting sun, was beautiful.
括弧で区切る
The evening sky (colored pink by the setting sun) was beautiful.
エムダッシュで区切る
The evening sky – colored pink by the setting sun — was beautiful.

セミコロンの代わりとしてエムダッシュを使うことも可能です。この場合、セミコロンよりやや砕けた感じになり、どちらかというと、強調やトーンを変える目的で使うケースが多いです。

セミコロンで区切る
Mr. Mercer bought the book for fifteen thousand dollars; it was a first edition copy of Nabokov’s “Lolita.”
エムダッシュで区切る
Mr. Mercer bought the book for fifteen thousand dollars — it was a first edition copy of Nabokov’s “Lolita.”

エムダッシュはコロンの代わりに使うこともできます。この場合も、コロンよりもよりカジュアルな感じで、強調効果も増します。

コロンで区切る
Ishiguro has finally released his new title: Klara and the Sun.
エムダッシュで区切る
Ishiguro has finally released his new title — Klara and the Sun.

エムダッシュの代替としてのエンダッシュ

エンダッシュとエムダッシュの使用は混同されがちで、特に学術系以外の文章でその傾向が多くみられます。大変興味深いことに、エムダッシュの代わにエンダッシュが使える場合も全くないわけではありません。ただし、こういった代用はアメリカ英語よりもイギリス英語で見られるケースの方がはるかに多いことが特徴として挙げられるでしょう。なお、同一文書内では、句読点の表記方法には一貫性が必要ですので十分に注意してください。

Incorrect
Ishiguro has finally released his new title - Klara and the Sun.
Correct
The evening sky - colored pink by the setting sun - was beautiful.

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