アポストロフィ(’)
アポストロフィは以下の3つの目的で使われます。
(1) 縮約形にする
(2) 名詞を所有格(~の)にする
(3) 文字(アルファベット)を複数形にする
頻繁に間違った使い方がされる句読点の1つがアポストロフィです。まったく関係のない所有格と同じ発音をする縮約形が数多くあるのがその理由でしょう。(例:「you’re」 と 「your」)
単数名詞に付ける所有格のアポストロフィ
学術的な文章で最も頻繁にアポストロフィが使われるケースは所有を表す場合でしょう。単数名詞の場合、所有を表すアポストロフィは「s」の前に付けます。
- Example
- The sample’s consistency was too thin.
所有を表すアポストロフィは、学術文書における括弧で挿入された引用と一緒に使うこともできます。この場合の正しいアポストロフィの付け方は学術分野、ジャーナルまた表記ガイドにより異なりますが、一般的に認められているスタイルの例を以下に挙げます。
- Example
- The analysis of Mercer et al. (2013) implies…
- Incorrect
- Mercer et al. (2013)’s analysis implies…
- Correct
- Mercer et al.’s (2013) analysis implies…
複数名詞に付ける所有格のアポストロフィ
「s」で終わる名詞の複数形の場合、所有格を表すアポストロフィは「s」の後に付けます。
- Incorrect
- The sample’s consistencies were too thin.
- Correct
- The samples’ consistencies were too thin.
ただし、複数形が「s」で終わらない名詞に関しては、末尾の文字と、所有格として付ける「s」の間にアポストロフィを付けます。
- Incorrect
- The mices’ primary food source was found to be grass seeds.
- Incorrect
- The mice’ primary food source was found to be grass seeds.
- Correct
- The mice’s primary food source was found to be grass seeds.
アポストロフィと所有代名詞について
通常の名詞と異なり、代名詞にはアポストロフィの使用を伴わない所有格があります。例えば、「him」という代名詞の所有格は「his」です。
- Incorrect
- He’s car is a blue Mini Cooper.
- Correct
- His car is a blue Mini Cooper.
代名詞のリスト
主語となる代名詞 | 所有代名詞 | 所有形容詞 | |
---|---|---|---|
1人称 |
I |
Mine |
My |
2人称 |
You |
Yours |
Your |
3人称 |
He |
His |
His |
アポストロフィと複数の所有格について
複数の名詞が共同で1つの物を所有していることを表す場合、一番最後にくる名詞のみを所有格にします。
- Incorrect
- The mouse’s and the hamster’s carrot was grown in the campus greenhouse.
- Correct
- The mouse and hamster’s carrot was grown in the campus greenhouse.
ただし、複数の名詞がそれぞれ複数の物を個別に所有していることを表す場合には、名詞すべてを所有各にします。
- Incorrect
- Miller’s and Matthew’s publishing houses are both searching for new and emerging authors.
- Correct
- Miller and Matthew’s publishing houses are both searching for new and emerging authors.
アポストロフィと縮約形の関係
縮約形とは、1つの語または複数の語のショートバージョンのことです。縮約形に使うアポストロフィは、省略する文字のあった場所に付けます。縮約形はアカデミックの文体では通常使用しませんが、日常会話やカジュアルな文体では頻繁に縮約形が使われています。
- 縮約前
- Eva does not have a pen.
- 縮約後
- Eva doesn’t have a pen.
- 縮約前
- I have got a pen.
- 縮約後
- I’ve got a pen.
「Doesn’t」は「does not」の縮約形で、アポストロフィは「not」のなかの「o」があった箇所に付けます。「I’ve」は「I have」の縮約形で、「have」の「h」と「a」が省略され「h」「a」があった箇所にアポストロフィを付けます。
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アポストロフィと複数形
名詞にアポストロフィを付けて複数形にするのもよくある間違いです。通常は、名詞を複数形にするのにアポストロフィは使えません。
- Incorrect
- The book’s are not arranged properly.
- Correct
- The books are not arranged properly.
アポストロフィとその周辺の句読点
アポストロフィは、単語や縮約形の一部ですので、その語や縮約形とアポストロフィを、スペースや他の句読点で切り離さないでください。
- Incorrect
- “The cats’,” she began, then stopped, distracted by a robin chirping outside.
- Correct
- “The cats,’” she began, then stopped, distracted by a robin chirping outside.
単語からスペースを空けてアポストロフィを付けたり、縮約形の途中にスペースを入れてアポストロフィをタイプすると、アポストロフィが逆向き(‘)に表示されてしまいます。
- Incorrect
- The cat‘s bowl is blue.
- Correct
- The cat’s bowl is blue.
所有代名詞と縮約形の比較
所有格と縮約形の発音が類似しているケースは結構あります。例えば、「its」という所有格と「it’s」という縮約形は発音が同じです。また、「their」と「they’re」、「your」と「you’re」も発音が類似しています。
縮約は省略形であることを覚えておくと混同しなくて済むでしょう。「whose」と「who’s」は混同しやすいですが、「whose」と「who is」でしたら違いがすぐにわかるでしょう。
- Incorrect
- Its Courtney’s birthday.
- Correct
- It’s Courtney’s birthday.
- Incorrect
- They’re car is parked outside.
- Correct
- Their car is parked outside.
- Incorrect
- Your expected at the courthouse in five days.
- Correct
- You’re expected at the courthouse in five days.
- Incorrect
- Whose the man standing outside?
- Correct
- Who’s the man standing outside?